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義貞の旗
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2015/10/01 |
JAN | 9784087716290 |
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
多くの人々は鎌倉幕府末期の得宗専制には失望し、御醍醐天皇の建武の新政に期待したが、すぐに失望する。後醍醐天皇は人々の期待に応えられなかったが、動機からしてギャップがあった。『義貞の旗』は端的に指摘する。「万民のために地上の幸福を実現することではなく、帝がこの国の主だということを万...
多くの人々は鎌倉幕府末期の得宗専制には失望し、御醍醐天皇の建武の新政に期待したが、すぐに失望する。後醍醐天皇は人々の期待に応えられなかったが、動機からしてギャップがあった。『義貞の旗』は端的に指摘する。「万民のために地上の幸福を実現することではなく、帝がこの国の主だということを万民の脳裏に刻み込むこと」(291頁)。 ここに後醍醐天皇や南朝史観の矛盾がある。後醍醐天皇は宋学のイデオロギーの下に倒幕を進めた。鎌倉幕府末期は得宗専制の悪政があり、それを倒すことは天命思想、易姓革命の思想を持つ宋学とマッチした。この天命思想、易姓革命の思想は天子に徳がなければ、徳を持った人物が代わることを正当化する。天皇の支配も絶対ではない。万世一系ということに価値はなく、徳のある政治をしたかが問題である。
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太平記を新田義貞の視点で描く。 歴史的には敗者であるが、後醍醐天皇、新田義貞、楠木正成、北畠顕家、大塔宮護良親王と、南朝方の方に、悲劇的な英雄が多いと思うのは、判官贔屓なのだろうか。 新田義貞は、やはり純粋に大塔宮に心酔し、帝による新政を支えるべく立ち上がったのであろう。無骨では...
太平記を新田義貞の視点で描く。 歴史的には敗者であるが、後醍醐天皇、新田義貞、楠木正成、北畠顕家、大塔宮護良親王と、南朝方の方に、悲劇的な英雄が多いと思うのは、判官贔屓なのだろうか。 新田義貞は、やはり純粋に大塔宮に心酔し、帝による新政を支えるべく立ち上がったのであろう。無骨ではあるが、純粋で魅力的な武将である。 北条の配下でありながら、北条を裏切り、結局武士の政権を維持した足利はやはり好きにはなれないかなぁ。
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『歴史に名高い新田義貞』 群馬県民なら皆知っている上毛かるたの札の一つに、新田義貞公がいます。 新田荘もそう遠くなく、私にとっては親近感のある人物。 …なのにあんまり評価が高くなくて悔しい思いもするのですが…、この一冊は晴らしてくれた気がします。 義貞公をみていると、もう一つ『...
『歴史に名高い新田義貞』 群馬県民なら皆知っている上毛かるたの札の一つに、新田義貞公がいます。 新田荘もそう遠くなく、私にとっては親近感のある人物。 …なのにあんまり評価が高くなくて悔しい思いもするのですが…、この一冊は晴らしてくれた気がします。 義貞公をみていると、もう一つ『雷と空風義理人情』という札も思い出します。 群馬の風土と県民性を謳ったものです。 本作の義貞公、大塔宮のために尽力し、足を引っ張られながらも最後まで南朝のために戦った義理堅い人柄が描かれ、なんだか報われた気分になりました。 べらんめえ口調で快活なキャラクターもなんだか親近感。 群馬弁は江戸弁に近いですし、陽気で明るくサッパリした県民性と言われています。(ヤンキーっぽくて怖いともいうけども…) 中世の時代にどうだったかはわからないけれど、風土が県民性を育てるなら新田勢も開けた性格をしていただろうなあと思ったり。 それと、悲運の武将とか死に様がダメだとか可哀想とか言われるとなんだかモヤモヤします。 あの混沌とした時代の中、南朝の期待と信頼を一身に背負い、真っ直ぐに応え続けた骨太な人物じゃないのかな…と。 同郷の贔屓目もたっぷりとあると思うんですけど、嬉しい作品でした。 また、同作者の「道誉と正成」ではまったく違う評価であって…視点が変われば見方も変わるんだよなと改めて思いました。 西と東の違いも好きなんだよなあ。 …余談だけれど、鎌倉・稲村ヶ崎に行くといつも「義貞公…ここを行ったのか…」と感慨深くなります。 なにせ海無し県、海のことは全くわからないし、興奮したり怖かったりいろんな感情が湧いてくるので、新田勢の皆さんはどうだったのだろうと思いを馳せたくなります。 京都という群馬とは真逆の場所での凄まじいアウェー感も、新田始め坂東武者の皆さんも感じたのだろうなと勝手に想像したり…。 うーん、身近な英雄は想像する楽しみをくれるなあ。
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