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みずは無間 ハヤカワ文庫JA
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みずは無間 ハヤカワ文庫JA

六冬和生(著者)

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みずは無間 ハヤカワ文庫JA

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2015/10/08
JAN 9784150312077

みずは無間

¥220

商品レビュー

4

5件のお客様レビュー

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2022/10/14

久しぶりに小説を読んだ気がする。読み始めてしまえばあっという間だった。小型?探査機に搭載されたAIの一人称視点で、みずはとの思い出を絡めて自分自身、人間の欲求が語られる。 ああ面白かったと、読後感はそれだけで良いと思う。 伏線の張り方、回収の仕方も目新しかった。これは読書メーター...

久しぶりに小説を読んだ気がする。読み始めてしまえばあっという間だった。小型?探査機に搭載されたAIの一人称視点で、みずはとの思い出を絡めて自分自身、人間の欲求が語られる。 ああ面白かったと、読後感はそれだけで良いと思う。 伏線の張り方、回収の仕方も目新しかった。これは読書メーターの短さによるものかもしれないけれど。 221013

Posted by ブクログ

2018/05/30

アニメ調の装丁を見て少々舐めて読み始めたら、装丁より格段にハードなSFでびびった。嬉しい誤算。 憎まれ口を叩きながらも淡々と宇宙を(壮大な時間の流れを)飛び続けるのが、とてもドライでよい。そして、随所に挟まれるみずはの記憶は当初はみずみずしくて微笑ましく、徐々に生傷のような痛みを...

アニメ調の装丁を見て少々舐めて読み始めたら、装丁より格段にハードなSFでびびった。嬉しい誤算。 憎まれ口を叩きながらも淡々と宇宙を(壮大な時間の流れを)飛び続けるのが、とてもドライでよい。そして、随所に挟まれるみずはの記憶は当初はみずみずしくて微笑ましく、徐々に生傷のような痛みを伴い始める。よくあるつまらない恋愛かとこれも舐めてかかったら、予想外にシリアスで、緊張感が高まる。そして、信用できない語り手という古典的な手法と人格を転写されたAIというこれも古典的な仕掛けが、すごくぴったりとマッチして、広大な世界の中の人間のちっぽけさに光を当てる。いやほんとに結局人間なんてみずはのことを繰り返し思い千々に乱れる程度の心しか持っていないのよ。 あと進化した人類の姿が一々興味深い。

Posted by ブクログ

2018/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 無人宇宙探査機の人工知能には、科学者・雨野透の人格が転写されていた。夢とも記憶ともつかぬ透の意識に繰り返し現われるのは、地球に残した恋人みずはの姿。法事で帰省する透を責めるみずは、就活の失敗を正当化しようとするみずは、リバウンドを繰り返すみずは…無益で切実な回想とともに悠久の銀河を彷徨う透がみずはから逃れるため取った選択とは?  あらすじをまんまコピペ。これだけ読むと、メンヘラなカノジョを地球に置き去りにしたことへの後悔と自責を垂れ流す人工知能くんの、深宇宙への物寂しい旅を描いた小説、と勘違いすると思うんだ。  違うんだよなぁ。  メンヘラカノジョをメンヘラたらしめる、飢餓感、に己の精神を呪われた主人公が、その呪詛から逃れるために地球を遙か離れた銀河の彼方へと逃げようとするも、自分が暇つぶしにやらかしたアレやコレやのせいでかえって飢餓の呪いを強めてしまい、全宇宙をむさぼり食うバケモノへと変貌していく様が描かれた小説、ってのがこの作品の骨子。  そう、この作品、ホラーです。ハードSFとサイコホラーを絶妙なバランスで混合してある、ミックスジュースみたいな小説。そもそもタイトルからして露骨だよね、無間って無間地獄のことだし。  読んでてほんと、背筋が凍った。暇つぶしに作った生命体が飢餓感を去勢したはずなのに、主人公のあずかり知らない場所とアプローチで飢餓感を覚えて使いこなそうとしたり。その生命体を捕食した地球外知的生命体も飢餓感に呪われて、主人公に「お前を食わせろー」と迫ったりとか。こえーよ、ある意味カニバリズム小説だよこれ。多元を含む全宇宙に飢餓の呪いが充満して食い散らかされていく様ってのは、独特の怖さがあった。  数学用語がぽんぽん出てくるので、読む敷居は結構高い。でも、乾いた冷ややかさで設えてあるハードSFと、ドログチョした冷たさを持つ現代恋愛ものをうまーく交錯させてあって、読み応えはものすごくあった。  総じて、怖いだけじゃなく読んでいてハラハラする、質の高いSFホラーだと思った、かなり面白く読めました。  個人的に、サーフの怒りにはものすごくうなずけた。世界を憎むのも当然だと思う。それだけにサーフの最期は悲しいものがあったなぁ。 みずは「オレサマオマエマルカジリ」 透「ああ逃れられない!」(食欲のカルマ) サーフ「いいぞもっとやれ」

Posted by ブクログ