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ラーメンの語られざる歴史
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ラーメンの語られざる歴史

ジョージ・ソルト(著者), 野下祥子(訳者)

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ラーメンの語られざる歴史

定価 ¥2,420

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 国書刊行会
発売年月日 2015/09/01
JAN 9784336059406

ラーメンの語られざる歴史

¥2,090

商品レビュー

3.7

9件のお客様レビュー

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2019/08/24

2019.8.24市立図書館 日本でのラーメンの起源の諸説から始まって、日本の政治や経済状況の変遷に伴って労働者の食事から日本の国民食となるまでの歴史(どのように、そしてなぜ)、そして日本文化の象徴として国際的グルメになった経緯をたどった読み応えのある一冊。

Posted by ブクログ

2018/10/28

【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】

Posted by ブクログ

2016/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ラーメン製造はいまや高尚な技術であり、ラーメンの消費は地域性や国民性、文化性などの共同体感覚を再確認させるものだ。しかし、30年前は違った。そして、そうなった経過こそが、この物語の本質的な主題なのだ。日本の労働者が好んだこの食べ物は、国民的な伝統のひとつとして有名になる一方で、そもそもこの食べ物への要求を生み出した種類の労働は、自動化されるか海外へと移転していった。この二つの変化には関連があり、そこにこそ、ラーメンの純粋なうまさ以上の重要性があると私は考えている。(p.16)  歴史を食べ物というレンズを通して考え、国家間の条約や知識人の意見ではなく、普通の人々の生活をその中心に据えるとき、特定の出来事の相対的重要性や全体的な時代区分が再検討され、政府政策と同じように焦点をあてた歴史が生まれうる。この目的のため、歴史考察の中心点として食べ物を研究することは、日常で経験する変化や継続性に対しての、より直接的なアプローチだろう。つまり日本におけるラーメンの歴史は、この研究が扱う食べ物と労働、そして、代わりゆく国民意識とのつながりを見るレンズなのだ。(p.22)  アメリカ産小麦とラードの闇ルートへの横流しは、「中華そば」販売者の商売再開に不可欠な材料を提供した。こうして、「中華そば」などの食べ物屋台は、都市部の被災した労働者たちが小さな商売をはじめるチャンスになった。ラーメンは1930年代のように、再び手頃な値段の避難所となり、都市住民は暖かい中華汁麺(あるいは間に合わせの類似品)を食べる楽しみを再発見したのだ。 (中略)すべてが不足していた時代に手に入る数少ない食べ物のひとつとしての「中華そば」の記憶は、半世紀後に歴史的かつ象徴的な思い出として蘇ってくる。(p.63)  1950年代から1970年台半ばに、ラーメンを特に昼食として食べる習慣が、都市に住む建設労働者と若い独り者に広まった。政府は、労働者の生活水準を調べる世帯の食費出費調査で、ラーメン消費の情報収集を開始した。ラーメンがどこでも食べられることは、国の急成長の労働力として、地方から都市に移住してきた多数の独り者のための手頃な食堂が、急増していることを現していた。多くの会社員は会社帰りに、同僚と酒を飲んで仕事の息抜きをするため、ラーメンは夜の娯楽産業に不可欠なものでもあった。  つまりラーメンは、高度に合理化され、急成長する商品経済における不満と停滞のシンボルとして、きわめて重要な役割をはたしていたのだ。また同時に、小規模なラーメンの商売はこの時代の終わり頃には経済的自由というオーラをまとうようになり、実際にはそうでなくても、次第に多くのホワイトカラーが、ラーメン店主は「脱サラ」だと考えるようになった。(p.119)  ラーメンは2000年代初期になると、安くて腹持ちがよく、急いでいる労働者がかきこむものと考えられていた1960年代とはまったく異なる働きを持つようになっていた。また、はじめの頃には魅力の中心だった中国起源が、ほとんど残っていないこともわかる。奥山はラーメンを高尚な料理文化とのつながりが強い西欧起源のスローフード運動と関連づけることで、ラーメンが肉体労働に必要な食べ物から、余暇と高尚な芸術に関連したものへと変化したと言う。国内でのラーメンの目的とイメージがこのように変化するにつれて、輸出向けの日本文化のひとつの要素としての市場性は、日本の都市を超えてニューヨークやロサンゼルス、パリ、台北、上海、バンコクなどの世界の金融資本センターへと拡大していった。(p.182)

Posted by ブクログ

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