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源実朝 歌と身体からの歴史学 角川選書562
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2015/09/23 |
JAN | 9784047035621 |
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源実朝 歌と身体からの歴史学
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商品レビュー
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源実朝を取り上げた歴史書。最近では無力な将軍、厭世的な実朝像を見直す動きが活発である。本書は意欲的に政治に取り組むものの、厭世的な実朝像になっている。 実朝は本気で宋に行きたかったとの立場である。「渡宋した三井寺の慶政上人が著した仏教説話集『閑居友』の巻頭の話が、平城天皇の第三...
源実朝を取り上げた歴史書。最近では無力な将軍、厭世的な実朝像を見直す動きが活発である。本書は意欲的に政治に取り組むものの、厭世的な実朝像になっている。 実朝は本気で宋に行きたかったとの立場である。「渡宋した三井寺の慶政上人が著した仏教説話集『閑居友』の巻頭の話が、平城天皇の第三皇子の真如親王が唐に渡ったものであり、こうした大陸への渡航熱の影響を受け、実朝は仏教信仰の深まりもあって大陸への渡航を夢見たのであろう」(222頁) 「出でていなば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな」 これは源実朝の最後の和歌とされる。主人のいない宿という孤独感が表現されている。その孤独を癒すように、「軒端の梅よ春を忘るな」という呼びかけがある。孤独感と梅の花の美しさが組み合わされ、寂しい思いを吹き飛ばす印象がある。 これは冤罪で左遷された菅原道真の以下の和歌を彷彿とさせる。 「東風吹かば匂ひをこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな」 風に揺れて梅の花が香りを放つことを求めている。その美しさを楽しむことで、季節や人とのつながりを感じることができる。梅の花は季節や人とのつながりを象徴する。春の美しさを感じることができ、孤独感を払拭する力を持つ。 「出でていなば」の和歌は道真の和歌を意識したものである。実朝の和歌は万葉調とされ、京の公家の和歌と趣きと異なるところが、後世の人々に評価されている。しかし、実朝は本歌取りの和歌も多く詠んでいる。 実朝が暗殺を予期して道真の冤罪の和歌と重なる和歌を詠んだとする見解がある。「実朝は官位が昇進するなかで孤立感を深め、皆が離れてゆくのを実感していたものと考えられ、公暁から刃を向けられないまでも、誰かに襲われることは覚悟していたのかもしれない」(五味文彦『源実朝 歌と身体からの歴史学』角川選書、2015年、249頁) 逆に「出でていなば」の和歌は道真の二番煎じ色が強く、道真と実朝の運命を重ね合わせた後世の人が作出したものとの説がある。「『六代勝事記』の著者と思われる藤原長兼が、歌人としての実朝を悼んで詠んだ代作であり、『六代勝事記』を原史料とした「北条本」の『吾妻鏡』が惨劇の予兆として、あえて取り込んだものであったと考えたい」(坂井孝一『源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍』講談社、2014年、264頁)
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和歌に秀でた実績を残す、源実朝。 公暁に暗殺されるまでの生涯と、鎌倉時代の幕府、武士の棟梁たちの動きを、歴史書と和歌から立体的に描いている。 いつ、どこで何をして、そこでどのような歌を詠んだなど詳細な記述があるので、現地に行ってその場の雰囲気を感じてみたくなりました。 また、鎌倉...
和歌に秀でた実績を残す、源実朝。 公暁に暗殺されるまでの生涯と、鎌倉時代の幕府、武士の棟梁たちの動きを、歴史書と和歌から立体的に描いている。 いつ、どこで何をして、そこでどのような歌を詠んだなど詳細な記述があるので、現地に行ってその場の雰囲気を感じてみたくなりました。 また、鎌倉武士の時代、もののふの時代とは、武家たちが実力で戦い、謀略で戦い、血なまぐさい時代であったと、改めて思いました。
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