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赤い博物館
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2015/09/01 |
JAN | 9784163903347 |
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赤い博物館
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商品レビュー
3.6
30件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
キャリアながら《警視庁付属犯罪資料館》の館長に甘んじる謎多き美女と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい巡査部長。図らずも「迷宮入り、絶対阻止」に向けて共闘することになった二人が挑む難事件とは――。予測不能の神業トリックが冴え渡る、著者初の本格警察小説! 推理に出てくる人物が多すぎて訳分からなくなった。 出てくる人は何となく魅力的なんだけど・・・魅力が伝わる暇が無いって感じだった。
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連作短編集。 東京三鷹にある、警視庁付属犯罪資料館。通称「赤い博物館」。館長は緋色冴子。キャリアだが、コミュニケーション力がないので、8年間ここにいる。白衣と白い肌が雪女のようだ。新しく配属されてきたのは寺田聡。警視庁捜査一課の刑事だったが、捜査資料を関係者宅に置き忘れるという失態で異動になった。二人は冴子が突然「再捜査する」事件について調べていく。 ・「パンの身代金」・・・大手パン製造会社の社長殺人事件。商品に針を入れる事件が続き、脅迫状、身代金の運搬か係として社長が指名される。しかし、身代金は置いたまま、社長は別の場所で殺害された。 《感想》1話目でいきなり捜査員が事件に関わっている事件ということでびっくり。短編だが話が入り組んでいて工夫されている印象。 ・「復讐日記」・・・犯人の手記から始まる。元恋人が殺された。自室から転落したらしい。彼女は妊娠していて、新しい恋人が犯人だと思う。復讐をやりとげた。・・・という内容。復讐をやり遂げた男はその後車にはねられ死亡。しかし、冴子は再捜査の結果、元恋人が新しい彼氏を殺害したこと、元彼氏はそれを隠すため、新しい彼氏の部屋の温度を調節し、死亡時間の予想をずらしたことを指摘した。彼女は自殺したのだった。 ・「死が共犯者を別つまで」・・・寺田、交通事故の現場に居合わせる。男が亡くなる間際、交換殺人を行った過去を告白する。被害者は誰か、共犯者はだれだったのか。 《感想》交換殺人の上に、身分乗っ取り殺人まで重なっていて、短編なのに中身が詰まっている。事件の時系列などを丁寧に見直して事件を解決していく冴子は手際がいいな。 ・「炎」・・・若い写真家の思い出。幼い頃、幼稚園のお泊まり保育に行っていた間、両親と母の妹が毒殺、家は全焼した。母は妊娠中だった。叔母の元彼がくるという話をしていたらしい。しかし真相は、父親と叔母が不倫、写真家は二人の子供で、妊娠もまた叔母だった。毒殺したのは母親で、最後に自分も殺されたように見せかけたのだった。 《感想》あっさり書かれているけど、本作で一番ドロドロ具合が強い作品だと思う。 ・「死に至る問い」・・・26年前の河川敷男性殺害事件とそっくりな事件が発生。二人の被害者につながりはない。違うのは、袖に付いた、犯人のものと思われる血。あまりに似ていることから、警視庁監察のトップ、緋色の同期から捜査を依頼される。警察内部の犯行を疑って。 真相は記者会見で質問した新聞記者。26年前の事件の犯人であった。血は現場にいた父。暴力的な父との血縁関係を知りたいがための犯行であった。 《感想》犯行動機は現実的にはありえないだろうけど、段階を踏んで推理を積んでいけばたどりつく。まさに本格ミステリーという感じ。冴子の推理部分、長いセリフが小気味いい。 全体的に、推理を楽しめる作品。途中、寺田のトンチンカン推理(結果的に)部分が入った時には、「寺田に新しい才能が開花したかな」と思ったが冴子に一蹴されていた。探偵役はやはり一人だな。
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続編が出たのでその前に久しぶりの再読。 <警視庁付属犯罪資料館>なる、事件発生から一定期間(例えば殺人事件の場合は十五年)過ぎると持ち込まれる証拠品や捜査資料を保管する部署に左遷された寺田聡元捜査一課刑事と『落ちこぼれキャリア』と揶揄される緋色冴子館長が迷宮入り事件を解き明かす...
続編が出たのでその前に久しぶりの再読。 <警視庁付属犯罪資料館>なる、事件発生から一定期間(例えば殺人事件の場合は十五年)過ぎると持ち込まれる証拠品や捜査資料を保管する部署に左遷された寺田聡元捜査一課刑事と『落ちこぼれキャリア』と揶揄される緋色冴子館長が迷宮入り事件を解き明かす短編集。 寺田がワトソン役で緋色の手足となって聞き込みなどの動の部分を請け負い、緋色はその成果と捜査資料、証拠品などから事件の真相を見抜くホームズ役であり安楽椅子探偵。 これまでのワトソン役は無能…というか、やる気のない人間ばかりだったらしいのだが、寺田という頼れる助手を得たから彼が来てからというもの次々と迷宮入り事件を解決している。 ミステリーの類としては本格、パズル物になるのだろうか。 捜査資料や証拠品を見直していくうちにちょっとした違和感や矛盾に気付いた緋色が寺田を使って事件の関係者に確認してもらい、その結果から真相を見抜くというパターン。 事件の構図が違ったものになるという展開が続くのでややマンネリ感と強引さはあったものの、ミステリーそのものは楽しめた。 シリーズとしては、緋色冴子がなぜ『落ちこぼれ』となり閑職と言われる犯罪資料館に八年も塩漬けになっているのか、コミュニケーション能力が低いことが関連しているのか、ちらっと出てきた父親との関係の拗れのようなものは何なのかという疑問に関しては全く触れられないままなので続編で少しでも明かされるのかが気になるところ。 また寺田が犯罪資料館に左遷されることになった失態と緋色がある事件を解き明かしたことで拗れた元上司・今尾捜査一課係長との関係は気まずいままなのか、寺田は再び捜査畑に戻れるようになるのか。 守衛の大塚老人や清掃員の中川おばちゃんも良い味出しているし、監察官で緋色と同期どいう兵藤も今後どう絡んで来るのかにも注目したい。
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