常識の路上

町田康(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻戯書房
• 発売年月日: 2015/08/27
• JAN: 9784864880787

商品レビュー

2017/11/04

大の旅行嫌いが書く、滞在記。道中記。
アーおもしろ。
あと、スピンクの呟きがおもしろかったから
スピンクの日記購入。
このサイン本は宝物。

2017/08/29

14年某日鹿児島市内にて行われた講演会のあとにサインを頂きました。今でもこのサイン本を持ってるというだけでどきどきする。表紙を開いて現れる最初の一文がこの本のなかで一番好き。

2016/06/28

無残なまでに無学な老年パンクロッカー、と自らを卑下する町田康の、未単行本化作品集。「ハードディスクに入る」という啓示(？)を受けて漁ってきた様々な文章たち。

町田康は大抵ビックリしている。「うわあ、知らなかった。こんな世界があったのか」―と絶叫、という項があるぐらいだから、やっぱりビックリしている。なお、この世界とは本を読むことにより出会える世界である。

一方で達観もしている。人の道。彼はパンク道を歩んだが名誉もなく、歩めば歩むほど世間に笑われなめられる。いっそのこと踏み外したい、と、パンク道で絶対にやってはいけないとされる、自宅の庭でバーベキューに挑む。これで完全に道を踏み外したはずがそうでもなく、ではそば打ち、波乗り、パラグライダー、でも倫理観がありそこまでは出来ないかな、などなど。

でも後の方には、自家製パスタを拵えようと小麦粉をこねくり回している描写がある。踏み外している。

それから、大抵嫌がっている。フェイスブックを見るにつけ人との交流をすべて絶ち、山中の洞窟に篭って『ドカベン』全48巻を読破したいような気持ちになる、そうだ。あれこれ書いて、わるいね。マジ、わるいね、と。

僕もハードディスクにダイブしてみようかなあ。懐かしい人や恥ずかしい自分に会えるかもしれない。道を踏み外したことに気づけるかもしれない。自分が如何に筋が通っていない、けれどそれでいて自分というものが形成できているかに気づけるかもしれない。まあ、それでいいことがあるわけでもないが、わるくもないだろう。