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魔女・産婆・看護婦 増補改訂版 女性医療家の歴史
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魔女・産婆・看護婦 増補改訂版 女性医療家の歴史

バーバラ・エーレンライク(著者), ディアドリー・イングリッシュ(著者), 長瀬久子(訳者)

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魔女・産婆・看護婦 増補改訂版 女性医療家の歴史

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 法政大学出版局
発売年月日 2015/09/01
JAN 9784588352317

魔女・産婆・看護婦 増補改訂版

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2024/03/27

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Posted by ブクログ

2016/02/07

「魔女・産婆・看護婦」なんのこっちゃ、と思う並びだが、魔女とは素人医療家だったという。 その魔女を弾圧し、支配階級の庇護の下で男性による医療専門家が勢力を伸ばす。「医師」である。 魔女は人を殺したり毒を盛ったりして告発されるのではなく、人を助け、治療したために告発される。 ...

「魔女・産婆・看護婦」なんのこっちゃ、と思う並びだが、魔女とは素人医療家だったという。 その魔女を弾圧し、支配階級の庇護の下で男性による医療専門家が勢力を伸ばす。「医師」である。 魔女は人を殺したり毒を盛ったりして告発されるのではなく、人を助け、治療したために告発される。 教会が庇護する男性の医療は容認されるが、下位文化での女性の医療は許されない。なぜか。女性だから、に他ならない。 「魔女」だ迫害された時代の、男性の「医学」は、歯痛の患者の顎に、「父と子と精霊の御名においてアーメン」と書くか、針で芋虫に触れ、次に歯に触れる、とかそんなんだった。 医師が天文学で見通しを立て、錬金術士が鉛を金に変えようとしていた頃、薬草についての経験を持つのは魔女だった。教会は反経験主義だ。 女という性(情欲はすべて女のせいであり、悪魔とのつながりにもなる)と、極度な反経験主義から、医療的知識を持つ女は魔女になってしまった。教会は産婆も嫌ったというし、魔女の時代よりずっと後のアメリカでも産婦人科医が産婆を攻撃した。医療分野では看護婦だけが女性に開かれたが、正規の医師と競いたがらない、忍耐強い素直な助手、卑しい仕事も喜んでする人間としての看護婦が必要とされていたからだ。 なんて話が今急に語られるとびっくりするかもしれないが、底本は1973年にパンフレットという形で出版され、1996年に日本でも出版され、そしてまた増補版が2015年に出版された。 70年代のアメリカでは、まだ女性の医療職への迫害が強く、「魔女」との共通性が話題を呼んだらしい。 それから40年ちょっと。いまの日本では、女性活躍というフレーズが跋扈している。僕は女性でも男性でも、いずれにしても活躍にあまり関心がないが、女性活躍と声高に言う人達はこういう歴史を知っているのだろうか。もっとも日本での女性の扱いは、欧米とはまた違った難しさがある。 けどさあ、魔女的に、家庭やその周辺で何かをしているのはダメで、社会に出て「活躍」しなさい、っていうのはやっぱりどうかと思うなあ。可能であれば、僕は魔女でいたい。

Posted by ブクログ

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