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アジアのなかの戦国大名 西国の群雄と経営戦略 歴史文化ライブラリー409
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 吉川弘文館 |
発売年月日 | 2015/08/01 |
JAN | 9784642058094 |
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アジアのなかの戦国大名
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アジアのなかの戦国大名
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商品レビュー
3.7
3件のお客様レビュー
西日本の戦国大名におけるアジア交易への志向性の観点から領国経営のあり方を見る一冊。遣明船貿易の展開、主要交易品を生んだ硫黄鉱業の詳細、渡来人社会の実相など当時の国際感覚をうかがわせる内容が興味深かった。
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織田氏、豊臣氏といった天下統一を志向した中央の戦国大名とは対照的に、アジアとの関係の中で自らの領国制のアイデンティティを模索した大内氏、大友氏、相良氏、島津氏といった西国大名による対外交易史が語られているのが本書である。 明応の政変以降、弱体化した将軍権力は、その求心力維持のた...
織田氏、豊臣氏といった天下統一を志向した中央の戦国大名とは対照的に、アジアとの関係の中で自らの領国制のアイデンティティを模索した大内氏、大友氏、相良氏、島津氏といった西国大名による対外交易史が語られているのが本書である。 明応の政変以降、弱体化した将軍権力は、その求心力維持のために九州の大名に勘合符を頒布していた。勘合貿易と云えば、一般的には大内氏だと思われるが相良氏や大友氏も遣明船を送っていた。大友氏は、有効勘合や「日本国王」上表文を保有しない状況で明へと交易船を送り込んだ。当然ながら明側から入貢を拒否されたのだが、沿岸警備が手薄な福建地方に回り込んで盛んに密貿易を行っていた。大友氏だけでなく勘合不備により、入貢を拒否された大内(義長)氏も密貿易を行っていた。筆者は「日本の地域大名が明に派遣した遣明船は、明政府から日本国王船として認められれば正式な朝貢貿易船として振舞い、認められなければ密貿易船として南方海域で私貿易を行うという、表裏を使い分ける二面性を有していた」 (P.48) と述べている。十六世紀の遣明船派遣において、正式に明側に入貢貿易として認められたのは四回だが、私貿易で実利のみを得た遣明船はその数倍を超えていたようだ。(P.50) 日本から海外に向けた硫黄の輸出の歴史は、十世紀末から確認できる。硫黄鉱石の需要が高まった中世後期から近世初頭にかけて、九州の大名は日明貿易・南蛮貿易・朱印船貿易において硫黄鉱石を主要輸出品の一つとしていた。特に島津氏は硫黄島(鬼界島)、大友氏は九重硫黄山鉱山、塚原伽藍岳鉱山といった大きな硫黄の調達先を領国内に所有しており、これらの大名は、国内消費のみならず、対外交易の主な主要品としての硫黄資源の取り囲みに力を入れた。筆者は、海外に向けて盛んに硫黄が輸出されたこの時期を「サルファ―ラッシュ」と名付けている。(P.103) 九州の戦国大名は、中国王朝だけでなく、東南アジアの国々とも外交関係を樹立して交易活動を盛んに行っていた。シャム(タイ)と交易を行っていた松浦氏やカンボジア国王と外交関係を結んでいた大友氏が例として挙げられている。大友氏のような「日本国内の一地域公権力の定義を超えて、大陸に近い九州の地の利を活かして、アジア史の史的展開の中に自らの領国制のアイデンティティを追求した大名」を「アジアン大名」と本書では定義付けている。 全体的な感想として、本多博之『天下統一とシルバーラッシュ』の前半で描かれていた西国大名による海外との交易史を広げた感じである。本多博之、本書の鹿毛敏夫と共に広島大学出身で年も近く、しかも本書と『天下統一とシルバーラッシュ』の出版も2015年で共通点が多い。『天下統一とシルバーラッシュ』と『アジアのなかの戦国大名』は合わせて読むと、中世における西国大名についての理解がぐっと深まると思う。こちらもお薦めです。 評点 8点 / 10点
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日宋貿易や日明貿易では、日本から中国への輸出品として火薬の原料となる硫黄が重宝されていた。特に島津氏や大友氏など西国の大名は、群雄割拠の中から天下統一を目指していったという従来の戦国大名像とは異なる性格を持っていたという。琉球、中国、朝鮮、東南アジアまでも視野に入れた領国経営して...
日宋貿易や日明貿易では、日本から中国への輸出品として火薬の原料となる硫黄が重宝されていた。特に島津氏や大友氏など西国の大名は、群雄割拠の中から天下統一を目指していったという従来の戦国大名像とは異なる性格を持っていたという。琉球、中国、朝鮮、東南アジアまでも視野に入れた領国経営していたことが興味深い。
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