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軍事と公論 明治元老院の政治思想
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 慶應義塾大学出版会 |
発売年月日 | 2013/07/22 |
JAN | 9784766420548 |
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軍事と公論
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幾分流し読みだが読んだ感想を。明治憲法制定前の徴兵制に関して論じ合った議法機関「元老院」での発言メンバー「議官」同士の議論と、当時の知識層(主に明六社)や政府との対決を通じて、当時の日本国家像を論じ、その上で軍制特に徴兵制はどうあるべきか論じ合った記録を拾いまとめ上げた本。津田真...
幾分流し読みだが読んだ感想を。明治憲法制定前の徴兵制に関して論じ合った議法機関「元老院」での発言メンバー「議官」同士の議論と、当時の知識層(主に明六社)や政府との対決を通じて、当時の日本国家像を論じ、その上で軍制特に徴兵制はどうあるべきか論じ合った記録を拾いまとめ上げた本。津田真道が中心か。 国民皆兵という平等負担思想(一応華族や富者なども全員皆兵)を推し進める政府や森有礼や西周、福沢諭吉といった明六社系の知識人などと争い合った議官たち。徴兵令の三度の改正とそれまでの議論では、各人が意見を変えたりしながらも、国家として最も意識すべき思想 は何か(※1)、軍事的国家意思と軍事力の持ち様は、など国家像の構想は今よりもより具体的に、政府に関わりを持つ人たちで論じられていた。(今現在、9条護憲vs憲法改正のどちらも、これだけのビジョンを持つ人がいるだろうか?) ※1「公」の精神優先(国民皆兵)vs「自由」かつ「怠惰」な人間性優先(分業(スミスを意識)と得意分野への自由な活動推進) ※2 大陸侵略 ← 陸軍優先&兵士多勢&長期訓練&装備の質まあまあでも人多く 国防優先 ← 海軍優先&さほど多すぎない職業軍人の養成&訓練まあまあ&人より装備の質 当時の議官には知識人や政府関係者というだけでなく、小役人や小政治家でも、徳川幕府時代や維新の時期など自分が政治の立役者という意識をありありと持っていた。だから後世まで意識した、長い時間軸を持ちながらの国家構想が多く論じられた。 こんな時代もあったのだとともに、比較的低所得層が無知であり、兵役逃れの方法を知らずに徴兵されたりする姿を報告等で見知って、皆兵制度を改めさせる等は、国家を全体観点で見て切り取った結果の議論として、今から見ても至極納得度の高いものだった。山県有朋らの目の前の国力を高める(「富国」)のが兵力増員と結びつく(「強兵」)考え方と、国力の高め方からして自由な国民が自由な経済活動を方々で自由に行える社会の建設、並びに強兵も明確な国家ビジョンに適した軍隊の創設並びに人員と装備のバランス・方向性の舵取りという考え方は非常に対称的だった。後者は当時のイギリスやドイツなど先進国を学んだ結果の知識だろうが、ここまで現在まで通じる”Nation State(民族国家)"の考え方を学んでいた当時最先端の知識層の凄さをも知った。ただ大衆社会になるにつれて、やはり教育というか大衆の常識・(ムーブメントへの)志向性として大多数がこの感覚を持つまで、それこそ昭和30年頃からとして、7、80年早い国家像だったのかもしれない。 やはり国家を動かす思想というならば、その時の社会における有力者層(今だと大衆)が、如何にムーブメントを起こすかにつながる思想でなければ、一丸となった動きにはならないということとも言えるのかなと。先見があり過ぎても、全く動かない。
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尾原宏之『軍事と公論―明治元老院の政治思想』慶應義塾大学出版会。本書は、明治最初期における徴兵制を巡る議論を精査した一冊。なぜ働き手を奪い進展を疎外する国民皆兵なのか。歴史の落ち着きどころは悲劇だが、元老院での喧々囂々の議論の闊達さに驚く。ただ合理性より政治が優先するのも事実か。
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