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日野啓三/開高健 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集21
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2015/08/10 |
JAN | 9784309728919 |
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日野啓三/開高健
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商品レビュー
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7件のお客様レビュー
231021*読了 今回はベトナム戦争を現地で経験したお二人。どちらも実体験をもとにした小説を書かれている。 フィクションの部分があるなんて思えないくらいリアルで、開高健さんの「輝ける闇」は完全に実話だと思った。(どこかはきっと実体験そのままなんじゃないかしら) 日野啓三さんはお...
231021*読了 今回はベトナム戦争を現地で経験したお二人。どちらも実体験をもとにした小説を書かれている。 フィクションの部分があるなんて思えないくらいリアルで、開高健さんの「輝ける闇」は完全に実話だと思った。(どこかはきっと実体験そのままなんじゃないかしら) 日野啓三さんはお名前も存じ上げず恐縮ですが、知識の深さに恐れ入る。こんな風に世界を捉え、文章化できるのって一体どんな脳みそをしてるんだ? ベトナム戦争は日本に被害があったわけではなくて、どこか他人事に感じてしまっていた。 でも、世界文学全集でもベトナム戦争にまつわる話は読んだし、現地で戦った人、処刑された人、爆撃に巻き込まれた人…失われた命の数は途方もない。 そこに米国人、欧米人としてではなく、日本人として特派員として関わったお二人ならではの視点。 それを50年以上経った世界で、こうして読めるのは文学のすばらしさと言える。 この文学全集のページの中で大きく占めている「輝ける闇」がやはり印象に残ってはいるのだけれど、どれも深みがあってよかった。
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彼らが眼差すベトナム戦争に興味を惹かれた。キャリアを通して養ってきた彼らの想像力のベースにあの戦争は確実に影を落としており、そこから彼らは「人間とは何か」「この世界とは何か」という問いを育んできたのではないだろうか。だが日野啓三の想像力はそこから人間社会の未来まで見据えるSF的な...
彼らが眼差すベトナム戦争に興味を惹かれた。キャリアを通して養ってきた彼らの想像力のベースにあの戦争は確実に影を落としており、そこから彼らは「人間とは何か」「この世界とは何か」という問いを育んできたのではないだろうか。だが日野啓三の想像力はそこから人間社会の未来まで見据えるSF的な性格を持つものへと成長し、開高のそれは女性たちのなまめかしさを描く人間臭さを敢えて引き受ける方向へと導かれていったのではないか(邪推になるが)。今となっては陳腐な箇所もないわけではないが、しかしこの想像力はまだ忘れ去られるには早い
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「向う側」日野啓三 2004年に1度、ベトナム・ホーチミンに旅行したことがある。そのときベトコン体験ツアーという日帰りのバスに乗車して郊外のベトコン基地に向かった。既にベトナムでは高度経済成長は始まっていたが田舎は多く、バスは長い幹線道路を通り過ぎると、一時間ほどで長閑な田んぼ...
「向う側」日野啓三 2004年に1度、ベトナム・ホーチミンに旅行したことがある。そのときベトコン体験ツアーという日帰りのバスに乗車して郊外のベトコン基地に向かった。既にベトナムでは高度経済成長は始まっていたが田舎は多く、バスは長い幹線道路を通り過ぎると、一時間ほどで長閑な田んぼ風景になり、やがて平地のジャングルに入っていった。そこでは土地の至るところに、小さなベトナム人だけが入れるトンネル入口の「穴」があり、蟻 の巣のような抵抗基地が広がっていた。この短編では、こちら側(米国・南ベトナム)の街(サイゴン現在はホーチミン市)から、おそらくあの幹線道路の雑多な街のひとつに降りて、向う側に行く迄が描かれている。60年代当時の街は、向う側の景色が見える者にとっては恐ろしく危険な場所に見えたのだな、と思った。消えたジャーナリストに何があったのか?主人公にこれから何が起きるのか?一切わからないまま、短編は終わる。全集の見事な導入部ではある。 「みずから動くもの(自然=機械=人間)」日野啓三 「向こう側」の先には、世界の謎があった。神と言い、自然と言い、諸星大二郎は愛読者だったんではないか?というような記述が続く。最初の向こう側にベトコンがいたので、てっきり20世紀世界情勢の謎を突き詰めていくと思っていた。ところが、どうもその後の仕事は都会生活から発展させた仕事に移ったようだ。その意味でも諸星との類似性がある。もっとも彼は古代にいったが、日野啓三は主に宇宙や科学に向かった。その後のSF映画に使われたようなアイディアがたくさん散りばめられている。 この文学全集を手に取らなかったら、決して出会わなかった作家。出会えて良かった。 「輝ける闇」開高健 事前に解説や煽り文を見ると、この小説はベトナム戦争を描いているかのようで、実は酷く内省小説なのだ(「人間の闇を探った」)という評価なので、そういうものだと思いながら読み進めると、当たり前だが、そういうテーマはあるにせよ、描いているのは、今までに読んだことのない詳細な「ベトナム戦争小説」だった。 サイゴン近郊の対ベトコン最前線基地の描写は、「地獄の黙示録」で描かれた川沿いに点々と映った米兵基地の内実のように思えたし、サイゴン市内の戦争に膿んだ市民や記者や知識人の描写は、高野秀行「恋するソマリア」の内実をホントにシリアス化した文章、或いは北方謙三「岳飛伝」の小梁山の800年後の姿のようにさえも思えた。 池澤夏樹の指摘する凝りに凝った文体は、私も感じ、感嘆したが、ここでは繰り返さない。 主人公が恋人の素娥(トーガ)に何も言わずに戦線に戻る理由は、なかなか分かりにくい。しかし、その分かりにくさが、小説なのだろうとも思う。軍国少年だった主人公が、途中中断した死に赴く自らの主体を取り戻すのが理由なのだろうか?わからない。もっとも、マーク・トゥーエンの小説を延々解説したくだりを読み飛ばすような読み方しかできなかったわたしが、一発でわかるはずもないのではあるが。 年譜をみると、安保反対集会やベ平連にも参加、一方でアイヒマン裁判傍聴、徳島ラジオ商殺人事件裁判、東京オリンピック、等々のノンフィクションを手がけ、その延長の最後の頂点にベトナム戦争があったことがわかる。まるでこの小説のようだ。体裁は社会派、内実は内省派。 掘れば、もっと面白いのかもしれない。しかしわたしは、此処で撤退する。
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