リモート・コントロール 論創海外ミステリ151

ハリー・カーマイケル(著者), 藤盛千夏(訳者)

• 販売会社／発売会社: 論創社
• 発売年月日: 2015/07/01
• JAN: 9784846014506

商品レビュー

2021/05/11

新聞記者のクインは、直前にパブで一緒に飲んだ仲間が危険運転致死事故を起こし、多少の罪悪感を感じている。
飲み仲間が服役中に、その妻から電話で悩みを打ち明けられ、親切心から対応していたが、彼女が自宅で死亡。不信な点が多かったことから、クインに殺人の容疑がかかる。
旧友の保険調査員のパイパーが、友人の疑いを晴らすために調査を始めると…。

表題の「リモート・コントロール」がどこで関係してくるのか。
資産を持った妻が死んだ場合、一番得をするのは誰かという単純な原理を、当の夫は服役中で完全なるアリバイがある。

パイパーが調査中につぶやく。
誰もが正しい－でも、何かが間違っている。とてつもなく間違っている…。彼らの一人が言った言葉に欠陥があるはずだ。

ミステリの謎解きの神髄がここにある。

クインとパイパーが登場するミステリは、41冊ほど発表されており、本作は32冊目とのこと。こういったシリーズ物は、登場人物の背景を知るために前作を読んでいた方がより楽しめるかも。

2016/05/31

新聞社の編集員クインと保険調査員のパイパーのシリーズ物らしい。
バーでいっしょに飲んだ男がそのあと交通事故を起こしたことから、事件に巻き込まれていくクイン。警察に疑われる彼を助けようとパイパーも捜査に乗り出し…
古典的な展開の本格ミステリだが、読みやすくて面白く、サプライズも決まっている。帯に書いてあるとおりディヴァインぽい作風。
クインとパイパーの関係がこの作品の中では微妙な感じなのだが、そのへんも気になるしシリーズの他の作品も読んでみたい。