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国会質問制度の研究 質問主意書1890~2007
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本出版ネットワーク |
発売年月日 | 2015/05/03 |
JAN | 9784905240020 |
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国会質問制度の研究
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仕事でお世話になった方からご進呈いただいた本。 本人の博士論文が書籍化されたものです。 とても専門的で、難しそうに思いながらも、著者に敬意を表して読ませていただきました。 もともと政治にからきし疎い私ですが、個人的に知る著者は、難しい話もわかりやすく説明してくれる人であるため、...
仕事でお世話になった方からご進呈いただいた本。 本人の博士論文が書籍化されたものです。 とても専門的で、難しそうに思いながらも、著者に敬意を表して読ませていただきました。 もともと政治にからきし疎い私ですが、個人的に知る著者は、難しい話もわかりやすく説明してくれる人であるため、なんとか理解できそうに思います。 長年中村敦夫参院議員の政策秘書だった経験を生かした調査とインタビューがまとめられています。 「国会質問制度」についての定義を探してみたところ、「質問主意書」が国会議員が内閣に対し質問する際の文書だとわかりました。 「国会答弁」は、国会および帝国議会における著名な答弁・演説・質問・発言を取り上げたものだそうで、つまり全てのやりとりが網羅されているわけではないようです。 若手議員が提出することが多い中で、帝国議会時において、ベテランになっても質問を提出し続けた最多の議員は、田中正造氏の90回だとのこと。 内容は、彼が取り組んだ「足尾鉱毒問題」に関するものです。 彼の名前は教科書に載っている程度しか知りませんでしたし、天皇に直訴をした自由民権運動家という捉え方をしていましたが、そもそも田中氏は栃木県会議員、衆院議院だったわけですね。 本当に政治や近代史に疎くてまいります。田中正造を研究している著者にはとても言えません。 田中氏が行った鉱毒問題に関する質問61件のうち、文書答弁は27件、残り34件については文書でも答弁を得られず、口頭答弁は一切得られなかったとのこと。 そうした結果に業を煮やして直訴に踏み切ったのでしょう。 鉱毒問題に関する質問は、彼だけではなく、ほかの議員も質問を提出しているということで、彼が世論そして他の議員に与えた影響は大きかったと述べられています。 明治末期には教科書から端を発した「南北朝正閏(せいじゅん)問題」が大論争を引き起こしたということは全く知りませんでした。 南北朝の皇統の正統さを決めるという、皇室の流れに揺れるような微妙な話も、国会で取りざたされたということに不思議さを覚えます。 国会に提出された質問が、議員間の議論に発展しなかった理由として、議論の発展よりも、議院運営の秩序を重視する各会派の姿勢を挙げています。 割り振った発言人数や時間配分が崩れてしまうからという形式的な運営に則っている限り、国会のもたらす効用は期待できないようにも思います。 また、省庁の中では、外務省が群を抜いて多数の閣議詮議を提出していることが記されていました。 鈴木宗男衆院議員の質問注意書に対して多くの詮議をしていたというのがその理由だそうです。 鈴木議員は外務省と深いコネクションを持ち、それが彼の強みでしたが、最終的には失脚の原因になりました。 内部関係者からの情報を元に、外務省に向けた一種の内部告発として、質問主意書を多々提出していたため、外務省は対応を求められたということになります。 ちょうどその頃、私は外務省関連の仕事に就いており、職場も外務省も、常に鈴木宗男議員の、理不尽ともいえる圧力を感じていたことを思い出しました。 著者は本人にインタビューを行い、当時の見解を記載しています。 枝野幸男氏が薬害エイズ問題の情報公開に寄与した話が挙げられていました。 1995年の段階で一年生議員だったという彼。震災時の立場を考えると、その後の大躍進が伺われます。 弁護士出身ながら質問主意書については知らず、そもそも質問主意書とはどんなものか、多くの議員が知らないものだそうです。 作成法、利用法を教わる機会がないということでしょうか。 無所属の中村敦夫参院議員は、任期中は3番目に質問主意書提出が多かったとのこと。 無所属だと、一つの常任委員会にしか所属できないなど制約があることを知りました。 質問主意書作成までの過程のことこまかな説明は、実際に携わった人ならでは。 議員が全て一貫して行う場合と、秘書が原案作成する場合、外部関係者が作成する場合の3パターンに分かれ、政策秘書が発案・原案修正する2番は、議員は承認するのみ。 中村氏は3番のNGOに協力して作成してもらっていたそうです。 あとがきには、多くの人への謝辞が述べられており、職場の名前も掲載されていました。 田中さん、貴重な御本をどうもありがとうございました。非常に勉強になりました。 今後は、TVの国会中継から目が離せなくなるようになるかもしれません。
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