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兄嫁 フランス書院文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | フランス書院 |
発売年月日 | 2015/07/01 |
JAN | 9784829640890 |
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兄嫁
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兄嫁
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当時としては淫猥度がすこぶる高かった「黒本」30周年復刊第4弾
フランス書院文庫(以下「黒本」)の30周年を記念した旧作の復刊第4弾。底本は創刊翌年の1986年に出ている。その前身にあたるフランス書院オリジナルより1984年に『義母・汚された寝室』(後に「黒本」より1986年と1996年に再販)と『女銀行員・美樹』(1988年に同じく再販)が...
フランス書院文庫(以下「黒本」)の30周年を記念した旧作の復刊第4弾。底本は創刊翌年の1986年に出ている。その前身にあたるフランス書院オリジナルより1984年に『義母・汚された寝室』(後に「黒本」より1986年と1996年に再販)と『女銀行員・美樹』(1988年に同じく再販)が出ており、「黒本」からのデビュー作は1985年の『スチュワーデス・恵理子』(1995年に再販)なので、作者としては「黒本」からの2作目、通算で4作目となる。27歳の兄嫁【貴美子】と19歳の大学生主人公とのめくるめく家庭内官能不倫絵巻である。 官能小説自体の黎明期と言える頃にしては官能場面が多く、12章立てと細かく刻むのは当時らしいものの、その全部に情交描写があったのには少し驚いた。予想以上に淫猥度が高い。さすがにイマドキほど台詞を多用して直接的に描くことはないが、ヤリ捲り三昧ないやらしさは充分にある。復されなければ接することもなかったであろう、こうした古き名作で内容の良さに触れつつ意外な発見もできたのは僥倖だったと言える。 主人公が勢い余って実兄の妻である貴美子に無理やり迫ってしまうところから話は始まる。暴発的な凌辱にショックと悲しみを隠せない貴美子だが立ち直りは意外と早く、以前ほど構ってくれなくなった夫に対する当てつけ含みな義弟との関係をむしろ優位に進めようと思い立つ。都合の良い男として義弟を従属させようと考える貴美子は、その美貌に比例して気位も高いのである。しかし、その後は主人公への想いが芽生え、その求めには何でも応じるようになり、遂には自らおねだりしてしまうほど豹変していく。それでいて妻の座は維持しようとするしたたかさもあって、つまりは生活としての夫と愛情としての主人公というダブルスタンダードが傍から見れば都合の良い二股生活にも写る貴美子である。 当初こそ猛省しつつも関係を許されると若さに任せた交わり三昧な生活が訪れて有頂天にもなる主人公。だが兄への負い目と背徳な現状への憂いから同じ大学の女子生徒とも関係するのだが貴美子に感づかれ、その時に生じた嫉妬が後の豹変へと繋がっていくのは良い展開だった。夫婦の夜の営みを覗き見たことが兄嫁を奪おうと考える一因になっていたりと様々な事柄が2人に影響を与えているのは物語としての巧みさも窺い知れるところである。 エスカレートするばかりの関係は遂に夫(兄)の知るところとなり、そこからさらに一悶着あって結末へと至るのだが、やや強引ながらも当時の感覚として悲劇的で衝撃的なクライマックスを用意したのは、未成年では持て余してしまうほど淫らに乱れ切った大人の女の色香を鎮めるにはこのくらいでないとそぐわないのかもしれず、その割に最後の最後が平穏だったのには違和感も残るのだが、元より行方知れずな2人の官能逃避行だったと考えれば他に落とし所がなかったのかもしれない。
DSK