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大きな音が聞こえるか 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2015/07/01 |
JAN | 9784041032350 |
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商品レビュー
4.2
50件のお客様レビュー
700ページ越えの大長編! 主人公は裕福な家庭に、それなりに優しい両親、友だちもいるし、大学附属の高校に通う、恵まれた男子高校生、泳。 でも「何者にもなれない」不安やイライラが溜まっていて、不貞腐れている。 そんな中、趣味のサーフィンに関する情報、アマゾンには「終わらない波」ポ...
700ページ越えの大長編! 主人公は裕福な家庭に、それなりに優しい両親、友だちもいるし、大学附属の高校に通う、恵まれた男子高校生、泳。 でも「何者にもなれない」不安やイライラが溜まっていて、不貞腐れている。 そんな中、趣味のサーフィンに関する情報、アマゾンには「終わらない波」ポロロッカが起きるという話を耳にする。 退屈な毎日にうんざりしていた泳は、このポロロッカに乗るという夢を得て、実現のために奮闘していく。 これだけのページを携えているからこそ、泳の成長や感情の揺れが丁寧に描かれている。 初めてのバイト、親への説得、初めての一人旅。 今まで関わらなかった年齢や国籍もバラバラの人たちと接すること。 いろんな経験が、泳を成長させる。強くする。 その過程を見てきた中での、ポロロッカ! 大迫力のシーンだった。 泳の興奮と冷静さを同時に垣間見て、「彼は大人になったんだな」と感じた。 果たして私は、この先の人生で「大きな音」を聞くことができるんだろうか。 自分の興味のアンテナを張りめぐらせて、「大きな音」に耳を澄ませたいと思うし、もし聞こえてきたら、その波に乗り遅れないように準備しておきたい。 大人の私にも、そんな希望を持たせてくれたお話だった。
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やりたいことや好きだという気持ち全てを理屈で説明できない 自分ができるから、持っているからって、相手から奪うことは、持たざる人への侵害。 やりたいことに近い場所にいること、声に出すこと、今私がまさに実践し始めたことだったからよいタイミングで出会えた作品でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久々に色んな感情を思い出させてくれ、生きる活力をくれるような、とても沁みる小説だった。 約700頁なうえに活字も小さく(「アンタは京極夏彦か」と感想を書いている方がいたがまさにそれを思った)、自分の中でもトップを争う分厚さだったけれど、泳の冒険にのめり込みすぎて、休むことなく読み終えてしまった。 1人の少年が成長していく様子を丁寧に描いていてとてもいい。中高生にも出会って欲しい作品だし、大人になってからでも大事なことに気付かせてくれる一冊で、個人的お勧めしたい小説ランキングにランクインした。 色んな人(異文化という意味でも、年齢という意味でも)に会うことで刺激・学びを得られ、なんなら手助けも得られることもあるということ、そして夢ややりたいことは口に出していくと実現に向かって進んでいくということを教えてくれて、前向きになれる。 恵まれた環境で育ち金銭にも不自由せず、帰宅部で大学もエスカレーターな泳が冒頭で感じていた、何をするわけでもない日々や将来に対する漠然とした絶望感とか、楽しくもなさそうに日々働く大人に対する感情とか、親という存在をめんどくさいと思う気持ちとか、それでも何かやりたいという想いを秘めているところとか、自分の高校生時代と被りすぎて(みんなそうなのかもしれないが)、そうだよねそうだよね、と思いつつ、でもそれこそ大人って楽しいよって、そんな風に思っている現中高生たちに教えてあげたいと思った。 一方で、自分で“やりたい“と思ったことでないと一歩踏み出すことってできないだろうなと改めて感じたので、自分の子どもたちが“やりたい“ことが見つかった時に全力で応援できる体制を整えておきたいとも思った。 泳が自分の名前に意味を見出してウキウキしているところ、年相応の可愛さがあってよかったなぁ。 あとは泳と二階堂の関係は勿論、泳と山下との関係もいい。男の子のぶつかり合って仲良くなるところ痺れるし憧れる。 『何かが流れ出す。自分が動いているのか、周りが流れているのかわからない。けど、確実に何かが変わっていく。その手応えがある。水をぐんと蹴って、身体が進む感覚。それが今、俺を動かしている。』 ここがとても好き。この感覚を、感じることができる人生でありたいし、泳のように終わらない波に乗りたい。
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