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悲素
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2015/07/01 |
JAN | 9784103314226 |
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悲素
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商品レビュー
3.9
48件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1998年、和歌山県において夏祭りで提供されたヒ素入りのカレーを食べた60人以上の地域住民が次々に中毒症状を呈し、4名の尊い命が犠牲となった…。県警からの捜査協力依頼を受けて、九州大学医学部衛生学教授で国内毒物中毒の第一人者でもある沢井教授が立ち上がる…。沢井教授は、カレー事件以前の事件化していない保険金詐欺事件についても、被害者のカルテや検査結果をもとに自ら診察も行い再検証します。そしてその症状はヒ素中毒に違いないとの真相を導きます…。 帚木蓬生さんの作品。ちょっと前に「沙林」を読んで感銘を受け、この作品も読まなきゃって手にしました。「沙林」同様、ノンフィクションとは感じられない内容で、医学的な考察も満載です!なので難しく感じる部分はありましたが、それでも引き込まれました。医学的に理論づけられても、証拠を示すことはできない…そんな理不尽さを感じました。また、この作品にはヒ素だけではなく数々の毒物について、過去から現在、日本に留まらず海外にまで視野を広げて触れられています。 保険金詐欺事件に関してははっきりした動機がある、でも証拠がない…。カレー事件に関しては実際のところはどうなのか…毒物に魅入られてしまった結果の惨事なのか…でも、近年このヒ素が別のものかもという疑惑もあるようです…。この事件の被害者のためにも、事件からもうだいぶ経過していますが、真相が明らかになることを祈っています。最後、沢井教授が和歌山に出向くために必要な段取りを命じられていた、光山刑事から沢井教授の退官にあてて送られてきた手紙には胸が震えました…。
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この作者でなければ書けなかっただろう。 この夫婦に関わって亡くなられた方々、人生を狂わされた人々がかわいそうでならない。カレー事件以前の被害者についての方が、証拠が示されたはずなのに、、そっちは無罪になっただなんて。裁判所のメンツに左右された判決に対する作者の怒りが伝わってきた。
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107膨大なデータを正確に取り上げて小説という形にした作品は、前作のサリンを扱った大作に通じる。今後同様の作品が出てこないことを祈るばかりです。
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