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大日本帝国最後の四か月 終戦内閣“懐刀"の証言 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2015/07/06 |
JAN | 9784309413877 |
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大日本帝国最後の四か月
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大日本帝国最後の四か月
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著者は終戦に至る鈴木貫太郎内閣の内閣書記官長。事務方(官僚)のトップとして、大日本帝国がポツダム宣言を受諾して終戦に至る激動の四か月を、政権中枢の一員としてつぶさに見届け、また自ら働き、終戦直後には首相経験者と並んで、徹底抗戦派から命を狙われた人物だ。内側から見た終戦史を語るに、...
著者は終戦に至る鈴木貫太郎内閣の内閣書記官長。事務方(官僚)のトップとして、大日本帝国がポツダム宣言を受諾して終戦に至る激動の四か月を、政権中枢の一員としてつぶさに見届け、また自ら働き、終戦直後には首相経験者と並んで、徹底抗戦派から命を狙われた人物だ。内側から見た終戦史を語るに、これ以上の適任はないだろう。こういう本を読みたかった。 イタリアもドイツも降伏し、大和は沈み、首都を爆撃され、沖縄を占領され、広島と長崎に原爆を落とされるという状況だ。手を上げる以外に選択肢はないだろう、と思うのだが、そう簡単な話ではないのだ、ということがよくわかった。軍部は本土決戦(本拠地に攻め込まれて決戦も何もないだろうと思うのだが)を戦おうとしていたし、白旗を上げるような弱腰政府は総辞職に追い込んでしまえ、クーデターで潰してしまえ、という「選択肢」が存在したのだ。それを抑えつつ終戦に導くためには、表向きにはしれっと徹底抗戦を謳い、その一方で終戦工作を進める政治手腕が必要だ。どこまで本気なんだ、と著者が肝をつぶし、あるいは言い出した軍部さえ拍子抜けするような鈴木首相のタヌキぶり。これが政治というものか。大狸鈴木貫太郎なくして、8月の終戦はなかっただろう。 もう一人のキーマンが阿南惟幾陸相。陸軍の代表として徹底抗戦を主張し、終戦と同時に自刃した人物だが、著者は彼もまた、軍部の暴発を抑えるためにあえて踊ってみせたのだ、と考えている。もし陸相が本気で内閣を潰そうと思えば、やりようがあったからだ。阿南陸相は胸の内を誰かに語ったり、書き残したりしなかったので、今でも徹底抗戦を主張したのが腹芸だったのか本音だったのかわからないままらしいが、ぼくとしては本人と相対した著者の印象を信じたいと思う。 そしてもちろん昭和天皇だ。終戦前後に天皇が何を語り、何をしたかはいろいろな資料に記されているが、それを自分の耳で聞き、目で見た著者の言葉は重い。戦後の昭和天皇は口数は少なく、胸のうちを語ったり、書き残したりしなかったが、聞けるものなら聞きたかったと思う。 こういう目線で、開戦を描いた本はないだろうか。
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太平洋戦争を終結させるために組閣された鈴木貫太郎内閣において、内閣書記官長を務めた迫水氏の著作。終戦に向けて様々な策を講じつつ、一方では徹底抗戦、玉砕すら厭わないとする一部の軍人たちに不満や疑念を抱かせないようにカモフラージュしながら戦争終結に向けて邁進した鈴木首相と、その意志を脇で支え続けた迫水氏、さらには各々の思惑を持って首相を支持、あるいは対峙した当時の閣僚、官僚、軍人たちの動きまでが克明かつ正確に示されていて、非常に面白い。 冒頭に昭和天皇の終戦に対する思いが記されており、実は1945年6月には首相周辺は戦争を終わらせるための努力に向けて舵を切っていたことが分かる。そこから2カ月弱で終戦までこぎつけたのを迅速であったとみるべきか、遅きに失したとみるべきかは人によって判断が異なるだろう。 しかし、本書を読むと戦争末期に政権中枢にいた全ての人が(陸軍大将や海軍大将など、戦闘の矢面にいた人たちを含め)自分たちなりの矜持と思想をもって戦争に向き合い、戦い、生きていたという壮絶な生のぶつかり合いがあったことだけは明確に理解できるし、そこには異論をさしはさむ余地はない。 終戦相成ったことで、鈴木首相と迫水氏はしばらくは戦争継続派に「日本を敗戦に追い込んだ張本人」として命を狙われ続け、逃亡の日々を送ることになる。その時期の様子も記されていて、改めてこの時代はとてつもない時代だったのだなと実感させられる。 たかだか75年前、このような壮絶な生き方をして日本を守ろうとした人々がいたということを、この本は教えてくれる。
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2015年(底本1973年)刊行。 アジア・太平洋戦争における降伏を決定した鈴木貫太郎内閣の内閣書記官長による、当該時期に関する自叙伝的手記。 鈴木を含め腹芸満載での政権運営。それは「声がデカく、うるさ型で、多面的なモノの見方の出来ない」東条英機に代表される人物に邪魔されず、ひいては陸軍クーデターによる混乱回避にあった。 ここで目に付く証言は、鈴木は、組閣にあたり東条の顔色を伺いながら発言している模様を浮き彫りにする。かつ陸軍クーデターだけに配慮した各種演説も同様の意味合いか。 その淵源が、不都合な命令に従わない「声がデカい」タイプの軍人、そういう軍部が形成されたがゆえ。そういう印象が、本書でますます強くなった感。 他方、過剰な鈴木贔屓ではないかとも。 勿論、著者の立場上、本書が鈴木贔屓(頑張った鈴木内閣)で彩られることは予想されることである。 しかし、そもそも、鈴木が内閣を構成している期間における戦争被害者が、それ以前にもまして甚大であった事実は等閑視してはならないのは明らか。書かれていないとしても、念頭からは去らせていけない考慮要素だろう。
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