帝国の女

宮木あや子(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2015/07/01
• JAN: 9784334910372

商品レビュー

2025/01/28

何となく、最近世間で騒いでるテレビの問題と決して無関係ではないんじゃないかと思いながら読み進めていました。

読みたくなったキッカケはテレビと全く関係なく、目次の「兵隊系女子」という言葉がブッ刺さりだったので手に取りました。

兵隊系女子:クソ男！　がむしゃらにやってきた松国が報われて良かった！

指先の砦:クソ男！クソ同期！脇坂の恋愛になると相手が察してくれるのを待つ。相手に求め、甘え、自分の思いどおりの言葉をくれなければ勝手に失望し、苛つくという言葉がすごく刺さった。
ここではさらに、結婚するなら相手に歩み寄らなければならなかったとか、相手の気持ちを慮らなければならなかったのだと脇坂は考えているけど、相手側も同じく考えなければいけないことだと思ったので、男側に共感できませんでした！脇坂の心が少しでも救われて良かった！

昼飯の角度：クソ男！綺麗な箱の中で丁寧に育てられてきた女性大島が外にでて、自分のこと、社会における女性のこと、平等不平等を知る。大島が書いた脚本の中にアリサとマリカが出てくるけど、これは大島自身のことなのかなと。死んだアリサ＝恋心ってことなのかな。
切ない大人な話。

蝋燭の火を灯せ：クソ男ども！片倉超有能だし今の環境を得られて良かったなぁとしんみり。けど、数冊しか読んでない僕はこの話に一番宮木あや子らしさを感じた。片倉の過去は小菅が調べて辻経由で局に渡ったのか？

シュテファーニクの駐車場：イイ男！兵隊系女子に出てきた山浦。ファンとは何なのか。ファンの行き着く先はどこなのか。山浦の応援が相手に届いてて、良かった。

愛して野良ルーム３：これもまた僕の知る宮木あや子らしさ。大団円とはいかないけど、泣き笑いできるいいエピソードです。

北九州が山口から電車で通える距離ってのが、作中で一番衝撃を受けたことです。

そして大島が言っていた、力を持つものが力を持たないものを支配する。これ至言だと思う。松国の異動も結局これなんよな。ヨウコさんすごいしこえー。

面白かった！野良女絶対読む！

2022/07/23

めちゃめちゃ久々に本を読んだ。
校閲ガールのイメージの宮木あや子さん。
冒頭は、頑張って働く女子のお仕事ストーリー♡と思って読んでいるものの、中盤からは何やら不穏な空気で、なかなか激しい話になってゆきました。

ストーリーは面白くて一気読み。
ドラマ化もしやすそうです。映像が頭に浮かんできやすい本でした。

#帝国の女 #宮木あや子 #読書記録

2022/05/24

大手テレビ局「帝国テレビジョン」での仕事にオンオフの区別はない。恋も夢も曖昧なまま、それぞれの“戦場”に向かう日々-。憧れと現実のあいだで揺れる5人の女性の切実な生き様を描く。『小説宝石』掲載に書下ろしを追加。

それぞれに個性があって面白い。