ヒロシマの空に開いた落下傘 70年目の真実

河内朗(著者)

• 販売会社／発売会社: 言視舎
• 発売年月日: 2015/07/01
• JAN: 9784865650259

商品レビュー

2022/06/11

この本は　最初の写真からショッキングでした。
戦後生まれの自分にとって
ヒロシマ・ナガサキは遠い歴史の勉強だけの
知識だけしかありませんでした。

今は当時の情報も開示されてはいるものの
なかなか　目にしませんが
この本の内容を読んで
何故　ヒロシマが　核によって攻撃されたのかを
知る一つの手がかりになりました。

最初に　原爆が投下された日の事から
著者の目で見た当時の様子が描かれていました。
あの惨状を歩き　後に　死にそうになっても
生きて、ヒロシマの事を　考えずにいたけど、
国連で働くようになり　忘れていた記憶を改めて開示し
後世に伝えようとこの本を書いたそうです。

1945年4月には　日本政府はアメリカに対して終戦意思の表明を
ソ連やスイスを通して届けていたそうです。
でも、アメリカは　日本が降参といわなかったので
日本本土の地上戦などしたら　お互いの被害は多くなる。
だから　戦争を終わらせる為に　
原爆を使用したと言っていた。

更にアメリカでは　ヒロシマは　多くのアメリカ人は
陸軍基地の地名と思っていたそうだ。
まさか　アメリカが国際法を無視して　都市を無差別に爆発し　多数の老幼婦女子を殺傷し、神社仏閣学校病院一般民家を焼失させたとは　思っていなかったそうです。
正確な数字は　当時の混乱で出ておりませんが
この本では
広島市における　軍人の死者は6082名（うち半数は爆心直下の陸軍病院に入院中の患者で、残りは訓練中の新兵。この本のはじめに出てきた著者の友人らのようにまだ若い人達だった。）そして　無抵抗の民間人26万人が亡くなりましたが　アメリカでは　ヒロシマは軍事都市として　説明されていたそうです。

そして　この本の著者の最も言いたい事。
英語を理解している著者だから見えた　表現の誤解についてです。

多くの人日本人は
ヒロシマに　原爆が落ちてきたと　まるで天災のような表現を使う。
しかし　著者は
落ちるとは　dropping 　しかし、ヒロシマに関しては
攻撃　attackの　方が　適切なのでは、と言うのです。

原爆投下は　爆撃側の視点。
しかし、爆撃される市民側は　防ぐすべもなく攻撃された。

最後に　
" By the way, do you KNOW・・・・・how many people・・・
　died of ・・・・the nuclear ・・・ attacks?"
　と　抗議も言えず亡くなった人々への　代弁で　終わっていました。

この本にも書かれていましたが
やはり　作ったら　使ってみたい　という心理はおきてしまいます。
だから　世界中の人が　皆で　核をなくそうと　
声を出していかねばならないと思います。
核を使ったら　その時だけじゃなく
後世も　苦しみを　負わせてしまいます。

どうぞ　過去の過ちを　もう一度　読んで　知って
同じ事を繰り返さないように　してもらいたいです。