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白の祝宴
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白の祝宴
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商品レビュー
3.3
7件のお客様レビュー
http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2015/08/post-14bb.html
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心に食い込んでくる源氏物語の力、というものを、思い知らされました。本を読むのは好きなほうですので共感できなくもないですが、残そうという強い気持ちを掻き立てられる作品なければ、こうして伝えられて来たかどうか。 それが現代でも、スピンオフ作品と言える物語を生み出す、すごいと思います。なにせ千年ですからね。 と言いつつ、単純にそれだけではないとも思います。忘れたくないのは、今、ここにいる人間に、前作に続けて「購入」させて「読ませる」ているのは、疑いなく作者の力なのだということ。それも意識していたいし、物語を作ってくれた存在には、感謝をしたいものです。それが千年前のひとでも、現代のひとでも。
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最近の「探偵もの」は予想も付かない人物を探偵に据える。 この本を手に取るまで、まさか紫式部が探偵役になるとは思ってもいなかった。 そもそも私は、(非常にどうでもいい話ではあるが)紫式部という人物を好ましく思っていなかった。清少納言のほうが好きだし、和泉式部も紫式部よりは好きだ。なんとなく「一の字も書けない振りをするいけ好かない女」というイメージが先行してしまう。和歌でも、機転の利く清少納言や感情を揺り動かすような和泉式部、そして品があり優雅な赤染衛門のほうがいい。もちろんこの3人も登場する。 式部の君(紫式部)は道長の娘彰子の女房の一人として宮仕えをすることになる。時期としては清少納言の仕えた定子は亡くなっており、彰子がまさに帝の子を出産するというころ。女房たちの様子を日記として纏め上げる役を式部の君は与えられる。源氏物語も世に出ており、文才を買われてのことだった。そんな中、都に盗賊が現れる。その盗賊は、式部の君のいる邸宅に忍び込んだ。しかし彰子の出産のため、人が多く出入りし宴が催されるなか誰にも見られずに姿を消したらしい。道長からの依頼もあり、この謎を追いかけるが…。 平安貴族って面倒くさいんだな、と思えるような回りくどい話し方。さりげなく何気なく引き出した言葉から真実を突き止めていくというのはかなり新鮮だった。 しかし時代設定もあるが、かなりグレーな落としどころになっている。ほんのりもやもや。 赤染衛門はとても嫌な女性だったが、和泉式部や清少納言の描き方は好ましかった。意外と紫式部と仲良くしているので「あれ、紫式部日記と書いてること違う」と思ったら、そうかなるほど、というオチがあった。この発想は単純にすごい。女房たちそれぞれの日記を繋げて「紫式部日記」となっているのね…。なるほどでした。 でもミステリーとしては個人的にはもうひとつかなあ。 天上人の雅やかな世界は九州の雑な人間からしたらまどろっこしいや…。
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