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不機嫌なスピッツの公式 富士見L文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2015/07/15 |
JAN | 9784040706580 |
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不機嫌なスピッツの公式
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商品レビュー
2.6
5件のお客様レビュー
連作短編。 どれもおもしろくなかった。 まず、主人公とスピッツが音楽と小説好きなのはいいが、複数のコアな作品名を挙げすぎだ。 全く知らない作品とそれに関する情報を何度も書かれたら、読むのが苦痛になる。 著者のお気に入り作品紹介かこれは。 ミステリとしては、どうも謎解きの着眼点...
連作短編。 どれもおもしろくなかった。 まず、主人公とスピッツが音楽と小説好きなのはいいが、複数のコアな作品名を挙げすぎだ。 全く知らない作品とそれに関する情報を何度も書かれたら、読むのが苦痛になる。 著者のお気に入り作品紹介かこれは。 ミステリとしては、どうも謎解きの着眼点がおかしい。 普通の推理の流れとしては、「こうではないか?」「いや、○○だからその可能性はない」という風に可能性をつぶしていくことが多いと思う。 そのとき、序盤の疑問は、誰もが考えうる可能性を挙げるものだと思うのだが、その疑問がなんだかずれている。 そして、登場人物の行動が不自然。 「○○だったら、普通こうする」という常識が通用しない奇特な人間が多すぎる。 その風変わりな性格の説明も足りない。 「男だから」、「お嬢様だから」で片づけられても困る。 これでは推理は不可能だ。 「紅茶と恋愛」の美大生は文句を言え。 「涙の映画券」のお嬢様は「世間知らず」ではない。 デートという概念も知らないただの異世界人だ。 そしてお嬢様の行動がなぜ失恋に結びつくのかもわからない。 周囲の人間も含めて、どういう意味があったのか教えてあげればいい。 「ばいばい、ライブラリー」では、カップルが図書館の本にメモを挟んで文通しなければならない謎を明かすはずだったが、あの結末では普通に友人としてのやり取りが可能なように思える。 ライトノベルレーベルとして致命的なのは、誰一人としてキャラクターに共感できないこと。 スピッツはいろいろと設定がぶれすぎだ。 ラブソング嫌い、といいつつ認める作品がいくつもあったり、くだらないプライドは嫌いとされながらも、情報は人に聞かずに自分で集めるとかいうくだらないプライドを披露して見せたり。 それとスピッツの持論が押しつけがましい。 序盤で、スピッツが自分の胸が小さいことについて「英語では薄い胸板のことをサーフボードっていうんだ。だから、わたしはこれに乗ってどこまでも行けるんだよ」といった時は、サバサバした素敵な人物だと思ったりもした。 でも、その後ずうっと、恋愛がこうだ、大人がどうのとたかが高校1年生の子供が断定して話す様子はとても鼻につく。 著者はあとがきで説教じみたものになっていないか危惧していると書いていたが、その通りだと拍手を送りたい。 かわいらしさがない。 要所で「参考までに……」という伝え方なら、心に来るものもあったかもしれないが、何度も断定的に考えを押し付けられると、聞く気が失せることはあると思う。
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連続短編3話、すべて主人公の友人が謎を解く。 最初は喫茶店の、次が不登校になった人の 最後に寄付した本の中の手紙の。 最初の話で話をする場所を登場させ 次では宝のものを増やす。 最後の話は、あちらこちらにあったものを 回収していけば分かってくる状態。 確かにその可能性は! な3...
連続短編3話、すべて主人公の友人が謎を解く。 最初は喫茶店の、次が不登校になった人の 最後に寄付した本の中の手紙の。 最初の話で話をする場所を登場させ 次では宝のものを増やす。 最後の話は、あちらこちらにあったものを 回収していけば分かってくる状態。 確かにその可能性は! な3話目でした。 結局謎が何となく分かったのは2話目のみ。 それ以外は言われて納得、でした。
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スピッツというバンドを記号としてキャラクター設定に活かしたことは評価したい。そもそも商業的にそれが可能なことに驚いた。「スピッツソングノベルズ大賞」でさえ曲名を作中で使うのもアウトだったのになあ。 序盤に早速スピッツ論が展開されるが、そういうのを期待するなら直接田中宗一郎の分析を...
スピッツというバンドを記号としてキャラクター設定に活かしたことは評価したい。そもそも商業的にそれが可能なことに驚いた。「スピッツソングノベルズ大賞」でさえ曲名を作中で使うのもアウトだったのになあ。 序盤に早速スピッツ論が展開されるが、そういうのを期待するなら直接田中宗一郎の分析を読めばいい。田中宗一郎のスピッツ論はどこかで読んだ気がするんだけど、ここまで引用するなら脚注つけろとは言わないからせめて巻末にソースをはっきり載せて欲しかった。自分でも探したけど明確にこの記述というのは見つけられなかった。 もちろん本作は別にスピッツファンじゃなくても読める。ただ、逆にスピッツファンからしてみれば期待はずれ感が否めない。別にスピッツを用いなくても「スピッツ」のキャラ設定は可能だよね。2話以降スピッツについての話は出てこないし。 何より、「スピッツは好き」だけど「ラブソングが嫌い」。この二極にあるそれぞれの設定が活かされていない気がする。 自分でも『スピッツ(これは本)』を読み返したけど、マサムネさんは早くから「俺らの曲の8割方はラブソング(94年5月)」とインタビューで口にしている。だったら、「ラブソングが嫌いなのになぜスピッツは好きなのか」で一話ぐらい書かなきゃ、わざわざスピッツというバンドを引っ張ってきた意味がないと思う。 作者はスピッツのことを嫌いではないのだろうけど、キャラ造形における中途半端さをどうしても感じてしまった。 この作品を垣根なしにスピファンに勧めることはできないと思う。そのあたりは商業的に失敗かな。 ただ、「涙の映画券」の冒頭部における素生と「スピッツ」のギャンブルを介したやりとりは好き。場面として面白かった。 この二人の今後は気になるところ。
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