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国家の徳 扶桑社新書185
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 扶桑社 |
発売年月日 | 2015/07/02 |
JAN | 9784594072919 |
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国家の徳
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曽野綾子氏のエッセイ集。10年ほど前からの文章であるが、指摘は鋭く参考になる。ユーモアあふれる文章が絶妙である。 「自分はヒューマニストで、常に人道的な立場を採っている、などという人に、私は徳を感じたことはない」p4 「仮にある国の人が、強盗や泥棒ばかりするとする。するとそれは...
曽野綾子氏のエッセイ集。10年ほど前からの文章であるが、指摘は鋭く参考になる。ユーモアあふれる文章が絶妙である。 「自分はヒューマニストで、常に人道的な立場を採っている、などという人に、私は徳を感じたことはない」p4 「仮にある国の人が、強盗や泥棒ばかりするとする。するとそれは全く個人の生き方にすぎないのだが、度重なると、それは1つの国家の顔になりかける」p5 「精神の基本の腐った人間や社会は、いかなる繁栄も長続きせず、強固な発展もなし得ない。しかし人ごとではない。最近の日本人の中にも国際的堕落の流行に乗り遅れまいとする人種が出始めた。サイトを通じて入試の答えを外部から教えてもらおうとする、卑怯な学生がいるようになったのだ」p18 「(日本の経済は一流ではなくなった)私は経済の理論については無知なのだが、動物的な勘でこうなることを予測していた。まず日本人は近年怠け者になっていた。世界の休日は各国何日くらいあるのか知らないが、日本の休みは多すぎると思う。2015年のカレンダー上で赤字で示された休日と土曜日を数えてみると、一月が11日、二月が9日、三月が9日、四月が9日、五月が13日、六月が8日である。つまり大体三日毎に一日は休んでいる計算である。個人商店が月のうち1/3閉店していたら客は寄り付かなくなるだろう。働かなければ貧乏するというのは、現代でも一応の原則だ」p19 「職人の性根は、長い年月の、ほとんど休みもない修行の末に到達する境地だが、それを讃える空気もない」p20 「国家の建て直しは、生産や金融や外交だけでは済まない。日本人の精神を体質的に改革するという側面がないと失敗に終わる」p21 「(日本の)状況を幸福と感じないのは、国民に人間としての一つの姿勢が、完全に欠けているからである。それは国民の権利として要求する態度は教えたが、同時に人権の尊厳として他人に与えることの大切さを教えなかったからだ。与えたりしたら損じゃない、と言う若者世代の、それこそ乞食根性を放置する限り、日本人の幸福度は、まちがいなく下がりっぱなしになるだろう」p39 「甘い支出は、政治的集票に直接繋がると誰でも知っているから、改めて政治家の計算高さを覗かせられる気になる。まだどうやら動けるのに人に食事を作ってもらい、趣味に生きていられるのは、昔は王侯貴族や支配階級の、特権的生き方であった。そういう夢は、今捨てる時に来ている」p42 「ユダヤ人は、血か金かを出す人しか本物の同士として認めなかった」p49 「着るものにも食べ物にも住居にも困らない。病気になればみてもらえるし、刑務所は厳格な老人ホームみたいなもんだよ、と76歳の受刑者は語っている。税金でまかなわれる老人ホーム代わりに刑務所を利用されてはたまったものではない。刑務所だけにはいたくないという形の環境をきちんと計算して整備するのは、当然だと思う」p53 「(リビア)カダフィを殺害しても、長い年月のアラブの族長支配の体制は、当分変わることはないだろう。また新しい指導者が取って代わるだけのことだ。民主主義が定着することなど、ほとんど考えられない」p102 「選挙運動中のテレビ画面では、福島社民党党首が「皆が安心して暮らせる生活を」と、まだ口にしている。「安心して暮らせる生活」などという状態は、いかなる時代のいかなる国家にも土地にもありえない」p175 「(世界の進歩を妨げているもの)敵は外国ではない。自国の国民の中に染み付いた汚職体質だ、とある途上国の評論家は言い切る」p185 「(外国人修道女)よい国際人になるには、まず、立派な自国民になりなさい、と彼女たちは繰り返した。日本人ならまずきちんとした日本語をしゃべり、書き、読めねばならない。日本の文化を知らねばならない」p236
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