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ザ・原発所長(下)
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
| 発売年月日 | 2015/07/07 |
| JAN | 9784022512864 |
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ザ・原発所長(下)
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商品レビュー
3.9
11件のお客様レビュー
福島第一原発所長であった吉田昌郎さんをモデルにした小説。といっても、名前こそ違うが登場人物、事象など事実ノンフィクションに近い。 この小説では、富士祥夫という名前で、その生い立ちから、原発事故処理に挑み、そして早すぎる死までを描く。 巨大津波、全電源喪失、未曽有卯の事態を前に、...
福島第一原発所長であった吉田昌郎さんをモデルにした小説。といっても、名前こそ違うが登場人物、事象など事実ノンフィクションに近い。 この小説では、富士祥夫という名前で、その生い立ちから、原発事故処理に挑み、そして早すぎる死までを描く。 巨大津波、全電源喪失、未曽有卯の事態を前に、富士所長はどう行動したのか。 この小説は自らの命と引き換えに原発事故と戦った男の物語である。 事故の最中、防護服の背中に書かれた「首都電 富士」との文字。 「大きな背中のこの名前を見て、どれだけ多くの人たちが勇気づけられたことだろう…」 親分肌の所長。サラリーマンを長いことやっていると、こんな上司にとても憧れてしまう。 少々のことですぐ弱音を吐いてしまう自分がとても小さく見えてしまう… 蛇足だが、ところどころに散りばめられた政治家などの原発の闇。都合の悪いことを言う人間がある日突然行方不明になるなど、これってホント?と思うほどミステリーなところとのコンストラクトがまたいい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エリートサラリーマンの主人公は順調に原子力畑で出世していく過程で東日本大震災に現場責任者として遭遇する。ここで彼が現場責任者として本部、政府とも丁々発止の交渉することで世間的には英雄視されるが、実は本部で管理責任者としてコスト重視に傾き、大津波による被災の可能性を握りつぶしたことはあまり知られていない。著者は主人公の少年時代から東工大のボート部時代、東電のエリートとして執行役員まで上り詰めていく過程を丹念に描き、その功罪を公平に描いている。前編及び後編中盤までのある意味平穏な生活から311当日から逝去までのドラマが怒涛のような展開はあっという間の読書体験だった。
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過日「フクシマ・フィフティ」という映画を観たこともあり、福島第一原発の吉田所長をモデルにした小説を手に取ってみた。「沈まぬ太陽」のような描き方かな。普段読まないジャンルだけどなかなか興味深かった。 この小説では奥羽第一原発の富士祥夫の生涯が、原発と電力会社でのサラリーマン人生を軸...
過日「フクシマ・フィフティ」という映画を観たこともあり、福島第一原発の吉田所長をモデルにした小説を手に取ってみた。「沈まぬ太陽」のような描き方かな。普段読まないジャンルだけどなかなか興味深かった。 この小説では奥羽第一原発の富士祥夫の生涯が、原発と電力会社でのサラリーマン人生を軸に描かれている。いわゆる3.11の大地震が起きるのは下巻なので、上巻は富士の人格や電力会社内の人間関係・政治との癒着・隠蔽問題などを丁寧に描いている感じ。フィクションとはいえ、これだけの虚偽報告や癒着がまかり通っていたのか…と愕然とさせられる。そして、常に故障や誤作動といった危険と隣り合わせであっても、どこかコントロールできているとのんびりした空気感が存在していて、実際にそうだったんだろうなと思わせるじんわりとした怖さがあった。世の中の色々な仕組みが、こういう紙一重の安全に成り立っている部分は大きいのではないかと思う。 いくつかの安全策も予算カットや承認がおりずに実現できておらず、ひとつでも改善されていたら何か変わっていたかもしれないのに…と思わずにはいられない。 下巻では3.11後の緊迫した対応が描かれる。何が起きたかわからない中でもできることを行い、周りを鼓舞しながらも冷静な判断をし、命を最優先にするというリーダーシップを発揮する所長の姿には感銘を受けた。混乱の中の話し方や態度がとてもリアルで、実際の吉田所長の姿をよく捉えていたのではないかと思う。何が良くて何が悪かったか、専門家でないので問うことはできないけれど、必死に事態を収束させようとした関係者の方々には本当にお疲れ様でした、とお伝えしたい。 こんな時だからこそ「有事」に備えて、また起きた時どうあるべきか、どういう発想が危険なのか、を多面的に考えるうえで良い読み物だったなと思う。
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