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歴史の仕事場
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 藤原書店 |
発売年月日 | 2015/06/22 |
JAN | 9784865780253 |
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歴史の仕事場
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著名な革命史・フランス近代史研究者の論文集。第一部「歴史学の現在」、第二部「古典文化のなかの歴史学」、第三部「アメリカとデモクラシーの思想」の三部構成となっている。第一部では、アナール派の見地からみた隣接諸科学との関係が扱われる。「フランスの知識人」ではレヴィ=ストロースに発する...
著名な革命史・フランス近代史研究者の論文集。第一部「歴史学の現在」、第二部「古典文化のなかの歴史学」、第三部「アメリカとデモクラシーの思想」の三部構成となっている。第一部では、アナール派の見地からみた隣接諸科学との関係が扱われる。「フランスの知識人」ではレヴィ=ストロースに発する構造主義が与えたインパクトが批判的に検討される。「歴史のなかの数量」では統計的調査をいかに歴史学に組み込むかという問題が検討される。「物語史から問題史」も同様の問題を扱っており、近年では実証主義的歴史学に見られる史料第一の立場から、問題の適切な定式化なくしては史料に向き合えない状況にあるという診断が下される。「歴史学と民族学」も翻って構造主義が歴史学に与えた影響が扱われる。「古典文化のなかの歴史学」では18世紀の歴史学が中心的に扱われる。「歴史学の誕生」では、古代学の博学と歴史の二重の伝統から出発し、歴史学と歴史教育の制度化の歴史が語られる。「18世紀フランス王国における「書物出版」」では、絶対王政期特有の出版制度である「黙許」がテーマとなる。特権本と黙許本、黙認本が実際どの程度の数出版申請されたかが統計的調査によって明らかにされる。「18世紀フランス社会の二つの歴史的正当化」は政治思想史研究にとっては最も興味深い論文である。平等主義を唱えるマブリと人種主義的貴族主義を唱えるブーランヴィリエが実は「王国」から区別される「国民」の歴史という観点を作り出していたというテーゼが打ち出される。後にK. M. ベイカーやM. K. ライトらがこの二人をフランスにおける古典的共和主義の代表として扱うようになるが、反王権の論理を構築するにあたりフランス史の「起源」に立ち帰るという思考様式は、後の革命期の政治思想を理解するうえでも鍵となる。「ギボンにみる文明と野蛮」では、18世紀の文明論とはいささか離れたギボンの野蛮論が扱われる。タイトルからしてポーコックを想起させるが、関連の有無は気になるところである。「アメリカとデモクラシーの思想」では、フランス人のアメリカ体験がテーマとなる。「未開の人間から歴史的人間へ」では、歴史を持たない=ヨーロッパの旧弊とは無縁なアメリカという理想化、だからこそ旧弊を破壊しなければならないフランス革命にとってのモデルとなりえないアメリカというアメリカ像の変遷が扱われる。最終的に、社会学的な考察対象としてアメリカが扱われるようになるところで、「トクヴィル『アメリカのデモクラシー』の概念体系」に話がつながる。「諸条件の平等」としてのデモクラシーという概念をどのようにアメリカの例から練り上げたのか、それが『旧体制と大革命』などのヨーロッパ(フランス)分析とどのように関連しているのかが論じられる。『フランス革命を考える』とも共通する部分であるが、古典的著作から現在主流のアプローチを相対化する視点を獲得してくる(『考える』では『旧体制と大革命』とコシャンの革命論)フュレの手法は、昔の人間の書物をいかに面白く読むかを追求する人間にとって、一つの範例であろう。
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