詩音 OF THE DEAD(2) マガジンKC

ムロヨシ・タカシ(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2015/07/09
• JAN: 9784063954333

商品レビュー

2015/08/02

ヒロインがゾンビって、設定はブッ飛んでるけど、ラブコメなストーリーは王道
一巻でも、詩音の一挙一動に、つばさ同様、胸をキュンキュンさせられていたが、この巻はラブ要素増量ＭＡＸなので、要注意（笑）
だらだらと両片想い状態を引き延ばさず、絶妙のタイミングで恋人関係した点は高く評価したい
彼氏彼女になる前に一度、些細な理由で仲が険悪になり、距離を離したからこそ、成就の瞬間の歓喜が強まったんだろう
また、つばさが凡人かと思いきや、女装が異様に似合う上、恋人の詩音より女子力が高いって設定持ちなのも好い
正道のラブコメに流れを傾けつつも、詩音のゾンビっ娘らしい失敗も割合を変えずにブッこんでくるので、ますます、私ら読み手は魅了されてしまう
加えて、詩音と香織の女の子同士の友情も実に麗しい。確かに、香織はゲスい。だが、その容赦のなさは、「普通」から迫害される親友を守るために発揮される。そう考えると、とても心の優しい少女だ、と思えてくるから不思議だ
ゾンビである事を隠している生徒会長・古地さんの出番は少なかったが、その分、与えられたシーンで十分なアピールが出来ていた
新キャラ・江戸賀くん、正直なトコ、出す必要あったか、と思わんでもないが、鬱陶しいだけで決して悪い奴でないので、つばさと詩音の仲を応援しつつ、古地さんに好意を寄せられる展開になったら面白いな
ただ、気になるのは、詩音のお母さんの思わせぶりな態度と言葉
この人のことだから、今まで通り、しょうもない事をわざわざ大袈裟に言っている可能性もあるが、元より、死人が生者の中で暮らす自体、世界の理から外れてしまっているのだから、「もしかして」が拭いきれない
文化祭での喫茶店、ダンスステージも含め、次巻も期待が多く持てる
お勧めの回は当然、つばさが詩音に自分らしく、愛の告白をする、「DEAD19：思わず言っちゃったんです」だ
この台詞を引用に選んだのは、言ったのが青春真っ盛りのゾンビＪＫだからこそ、死んだように生きている若者のハートをブチ抜くな、と思ったので。案外、少ないんだよな、漫然と毎日を過ごしてると、「あ、生きてる」って実感を得られる事って。ホント、こんなイイ娘を悲しませたら許さないぜ、つばさ。でも、彼の方が家事系のスキルが多い事を鑑みると、むしろ、つばさがポンコツな詩音と付き合う事の方が、もったいない？