学校の怪奇事件簿 4:44のおまじない 魔法のiらんど文庫

上村あかり(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2015/06/01
• JAN: 9784048652575

商品レビュー

2023/09/24

優太に片思い中のかおりは、友人から学校に伝わるおまじないの噂を聞く。 それは、好きな相手のこれからの未来がわかるというものだった。優太の未来が気になるかおりは、友人たちと早朝の学校へと忍び込む……。

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久しぶりの携帯ホラー小説。いつも読んでいる野いちご系列とはまた違う携帯小説サイト魔法のiらんどから出版された本である。 それぞれ登場人物の違う2つの短編からなり、別の方向性のホラー小説がつづられていた。 携帯小説が流行った時代、読者の中心も作者の中心も中高生だったこともあってか、登場人物たちはすべて高校生。恋に、勉強に、友情にと青春を謳歌する輝かしい一面を見せる一方でどろどろとした人間の醜い部分も惜しみなくさらけ出す登場人物たち。恋愛がらみのトラブルに巻き込まれたことがないのでいまいちよくわからないのだが、女の友情というものはこんなにも儚くて脆いものなのだろうか。 好きな人の未来を覗き見るために実行されたおまじないも、実は呪いだたっとか、貶めるためにわざとやらせたとか怖い過ぎる。
最初は主人公の恋愛に乗り気だったのに、実は私もその男の子好きだったんです。はよくある話だが、そこから相手を消すために呪いにかかるように仕向けたり、いじめを始めたりとやりたい放題。 もしや今まで仲良くしていた分、憎悪の対象になればより一層憎たらしくて仕方がないのか？ 幽霊が出てくる話もあったのが、その幽霊のグロテスクな表現より出てくる登場人物の方が怖い。息をするように「○○を「いじめてやろう」っていうな怖いから。 何冊か携帯ホラー小説を読んだが、その根底にあるのはいじめ問題。出てくる幽霊もいじめられた挙句に自殺をして、悪霊となりいじめていた相手を呪い殺すあるいは、呼び出した相手を呪い殺すというのが結構多い気がする。やはり学生や現代人が恐れるのは幽霊よりも実害があるものなのだろうか。それだけいじめが忌むべき行為だと思っていうのに、いまだに無くならないのはなんだか皮肉である。