ツクツクボウシの鳴くころに 文研じゅべにーる

堤しゅんぺい(著者), 黒須高嶺

• 販売会社／発売会社: 文研出版
• 発売年月日: 2015/06/19
• JAN: 9784580822689

商品レビュー

2016/07/05

自分たちの身に起きている事件がもし、何十年も前に担任の先生とその友だちの身に起きている事件だったら？担任の堤先生からデジャヴが起きていることを知らされた小５の仲良し３人組は、最悪の事件を回避するためになんとか知恵を絞って運命を変えようとする。

クライマックスが少しあっけなかったけれど、子どもにはちょうどいいのかも。デジャヴの法則性を解いていく過程は謎に満ちていて面白かった。

2015/10/12

　ズッコケ三人組みたいな五年生の男子トリオが主人公。担任の堤先生も小学生時代に同じように仲良しトリオでつるんでいて、現在の３人組の行動や運命が、先生の時とリンクしていることに気付く。先生の時代に起きた不幸な事故が現在で起こらないように、かつての三人組と今の三人組は試行錯誤していく。

　話は三人の交換日記の形式で進んでいく。過去と同じ現象が起きているという事態はちょっと怖くもあり、ハラハラする。未来を変えてしまうことで別の誰かが不幸にならないように、「ちょっとだけ方向修正する」ことを目標にがんばる三人。そして、なぜ過去と現在がリンクしているのか、という謎も同時に解決しなければならない。それぞれの長所を生かして謎に挑む子どもたちが微笑ましい。

　児童書なので複雑な話ではないけれど、子どもだましではなく、大人でも楽しく読めた。