夜回り先生、なんでドラッグを使ってはいけないんですか？

水谷修(著者)

• 販売会社／発売会社: 東山書房
• 発売年月日: 2015/06/01
• JAN: 9784827815399

商品レビュー

2021/04/18

誰にでもわかる言葉で、なぜドラッグを使ってはいけないか、夜回り先生が質問に答えてくれる。

・酒もタバコも薬もドラッグ
・大麻が許されてる国にはヘロインが蔓延している
・合法ドラッグは日本版阿片戦争だった
・愛でも罰則でも、依存者を救えない。
・どうやって誘いを断ればよいか
・本当の仲間と友だち
・夜遊びと派手な格好は売人にとってのシグナル
・ドラッグに対する｢すぐにやめられる｣｢外国では合法｣｢気分が良くなる｣は全て幻想か認識が間違えている。

厳しいけど優しい。絶対に根絶させなくてはならないという揺るぎない決心と、使ってしまって抜け出したいと思っている人への気持ちが伝わってくる。
中高生の必読書。

2016/07/26

ドラッグってなんですか？どんな種類があるんですか？なにが危険なのですか？スマホのアイコン押したらハーブが送られてきました。どうしたらいいですか？多くの中高生が疑問に思う質問に、夜回り先生が一つひとつ丁寧に回答してくれます。

2015/12/28

麻薬の真相というのは、死と同じような不可知性によって、誰も到達が出来ないものなのだと思う。
死んで生き返った人はこれまでに一人もいないため、「死」が何であるか知っている人は誰もいない。
麻薬の場合、それを体験した後に元の生活に復帰する人もいるにはいるけれども、一度でも麻薬を体験している以上、もともとの脳の回路とは違ってしまっているので、それを正常な認識で理解することが出来た人はいない。

ドラッグがなぜ恐ろしいのか。それについて、とてもストレートに、心のこもった言葉で説明を尽くした本。
書いてあることは、たとえばどこかの官公庁が発行している「ドラッグ防止」の冊子とかと同じかもしれないのだけれど、表現をする言葉によって伝わり方はだいぶ変わってくるのだと思った。

君たちに嘘は言えません。実は、私はタバコも吸いますし、アルコールも飲みます。そんな私ですら、もし、この世界にタバコやアルコールがなかったら、あるいは、私自身が若いころからその魔の手に捕まることがなかったら、どれだけのお金を貯めることができたか、どれだけ健康でいることができたかと、こころから思っています。(p.18)

君たちに伝えておきます。日本で、最も多くの人のいのちを奪っているドラッグは、間違いなくアルコールとタバコです。君たちのなかには、タバコを吸いながらアルコールを飲むことを、なにか格好良いことのように思っている人がいるかもしれません。そんな人は、どうぞ、タバコを吸っている人の洋服のにおいや口臭をかいでごらんなさい。どれだけ嫌なにおいか。また、口のなか、歯を見せてもらってごらん。ヤニで茶色になった歯、格好良いですか。どうぞ、夜の街に出て、アルコールに酔った人たちの姿を見てごらん。同じことを何度も繰り返して話し、大声を上げながら、ふらふら歩く姿、格好良いですか。(p.24)

君たちのなかには、自分は今幸せだから大丈夫と安心している人もいるでしょう。でも、人生には、山もあれば谷もあります。幸せなときもあれば、苦しいときつらいときもあります。そんなつらくて苦しいときを狙って、ドラッグは君たちに近づいてきます。でも、ドラッグには、一瞬の救いはあっても、その後に待つには、無限の地獄、哀しみと苦しみだけです。それを忘れないでください。(p.107)