朝が来る

辻村深月(著者)

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2015/06/01
• JAN: 9784163902739

商品レビュー

2025/01/21

子の2人の母親の、切実な現状と感情。細やかな描写で、途中の辛い世界線にもぐいぐいと引き込まれてしまってさすがだった。
だからこそ、最後に、朝が来て、よかった。
個人的には、私もひかりの実家と同じようなような閉塞感を感じていたので、あの違和感を言語化されてハッとした。
〜　〜　〜
その頃、母たちは、ひかりの後ろに、別のひかりを見ていた。
それは「失敗しなかった」ひかりだ
彼らの望むひかりは、存在しないにもかかわらず、両親の中で生きていた。

2025/01/11

映画の宣伝からこの本知ったので、生みの親が我が子を奪い返しにくる、少し気分の悪くなるストーリーかと思い込んでいたが、違ってた。
特別養子縁組とか、中学生同士の恋愛？による妊娠とか、問題提起とも言える人間の愛ある物語だった。それにしても、中学生片倉ひかりの行動と心理には、、、こうなるんだろうな？と思うものの、無知すぎて、歯痒くてたまらない。自分で自分を落として行くような展開で、なぜ？誰にも相談しない？現実にも、相談できる大人がいない、と思うとこうなってしまうのか？？最終章となる「朝が来る」の章は、拍子抜けするほど短い。感動的だけど、この後が心配だ。

2024/12/29

ひかりの生い立ちがかわいそうでもどかしくて読むのが途中苦しかったけど、続きが気になって一気読みしました。
子供を持つ身としてはもっと性について話さなければな、と思いました。
性についての誤った情報、過激な表現がすぐ手に入る時代だからこそ学校でももっと正しい情報を教えて欲しいです。
ひかりのような子がいなくなりますように。
最後は救いの手がでてきて本当によかった！