Think！(No.53) 2015 SPRING 問題解決の強化書

Think！編集部(編者)

• 販売会社／発売会社: 東洋経済新報社
• 発売年月日: 2015/04/25
• JAN: 9784492830628

商品レビュー

2015/06/20

　ロジカル＆クリエイティブ　問題解決の強化書。
　BBTの斎藤教授や、ビジネス本出しまくりの神田氏等が問題解決を題材にして持論を解説。
　デルタスタジオの渡辺社長は、「商人的問題解決のすすめ」としてコンサルの持つロジカルな手法だけだなく、実業で効果のある解決法をすすめている。それは、机上の論理ではないはずだという意味で、理想と現実のギャップ、原因特定、対策立案、実行というシンプルなフェーズを捉えることである。
　斎藤教授はおなじみ本質的問題を発見することに特化して説明。本質的問題は、事実ベースであること。しかし、事実を集めようとすると労力がかかりすぎる。そこで、仮説をたててあたりをつける。あとは、数字をチャート化して、何が言えるかを確りメッセージとして組み立てる。事実を伝えるだけでなく、「分析」することで、上司を説得したり、感動をよぶことができる。この分析チャートを使って大事なことをシンプルに伝え、その上で詳細に入っていくことで問題の本質を誰がみてもそうだというふうに説明できる。
　アイデアクリエーターの高木氏は、トリーズという創造技法を紹介。トリーズとは、特許をベースとした問題解決の手法で、コストの安いカップでコーヒーを販売したいが、熱いと持てないし、熱いコーヒーでないと美味しくないしという物理的な矛盾を解消する。熱いとは何度なのかを定義した上で、いつ、どこで熱いのかまで掘っていくと、いつは同じだが、どこでは違う。よって、どこでを解決するために、手に持つところは熱くないが、中身は熱い常態になるようにとってを付けるという解決策、段ボールでくるむという解決策が生まれてくるではないか！と説く。しかし、ここまで遠回りしてスタバのカップが出来上がるのかなあ。。。と疑問に思うと、この論理のマユツバ感が半端ない。困っている人がいる限り、こうした手法で稼ぐ人は後を絶たないだろう。
　神田氏はフューチャーマッピング押し。コンサル的なアプローチだと、訴えかけるものがないので、未来やラストシーンを具体機な情景として表現する。「こんなに幸せに！」を最後に持ってくれば、ドラマティックなストーリーが描けるという絵本の世界へ。これも、社長に真顔でプレゼンできれば良いが、普通の会社ではそこまでたどり着かないだろう。神田氏の本は１冊しか読んでいないけれど、当たり前のことを当たり前に説明することで、儲かる仕組みを作っていると言う点で成功者と言えるかと。ロジックと感情のバランスが大切。