ユリイカ 詩と批評(2003年9月臨時増刊号) 総特集 川上弘美読本

青土社

• 販売会社／発売会社: 青土社
• 発売年月日: 2003/09/25
• JAN: 9784791701100

商品レビュー

2014/12/31

すべての川上弘美さん好きの方、書評がお嫌いでも、どうかこのユリイカ内岸本佐知子さんの書評を読んでほしい。

「あぁっ、してやられた…！」

と思うから。
そうして、悔しくて面白くて嬉しくて、川上さんも岸本さんも大好きになること請け合いです。

このユリイカは、とても好きで、でもとても嫌い。
好きな人のことを他の人が褒めているのを見るともやもやするのは、わたしの器が小さいからなのでしょうか。

（とらないで！言わないで！わざわざことばにしないで！）

他の人のことを好きな人が褒めていて、嫉妬するのは頷けるのだけど。

（とらないで！言わないで！わざわざことばにしないで！）

2010/08/26

評論作品とは、ある作品を光源とし、論者の視点（プリズム）を通してできたひとすじのあたらしい作品（ひかり）である。本著では複数の多彩な論者により、一作品ずつを論じてもらう形式で並び立っているため、評論とは～ということをあらためて感じた。
また、小池さん、蜂飼さんら詩が本職の方々に語らせると、川上の特徴が、感性のピンセットでするどくつまみあげられ、つままれた幾つかがテクスト全体にちりばめられ、充実した作品になっているなぁと恐れ入った。
その他では、田中さんの「恋愛小説の不可能に逆らって」、前田さんの「弑逆者（としての…）」、小谷野さんの「ペニスなき身体との交歓」に、それぞれ抜き出せたところがあった。

2008/02/17

川上弘美さんは大好きな小説家の一人です。この本には彼女の作品に対する書評がたくさん載ってますが、読むひとによっていろんな見方があるんだと改めて感じました。書き下ろしの短編が読めるのもうれしい。