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チンチン電車と女学生 1945年8月6日・広島 講談社文庫
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チンチン電車と女学生 1945年8月6日・広島 講談社文庫

堀川恵子(著者), 小笠原信之(著者)

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チンチン電車と女学生 1945年8月6日・広島 講談社文庫

定価 ¥803

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2015/06/01
JAN 9784062931281

チンチン電車と女学生

¥715

商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/03/08

家政女学校という、戦時中に広島のチンチン電車の運転手を即席で育てる学校ができた。たった3年でその幕を閉じ、広電の人たちもその存在を知らない人がほとんどだったとのこと。 亡くなった方、助かったけど重症を負ったかた、助けたかったけどそれが叶わず戦後ずっとそのことを引きずっている方など...

家政女学校という、戦時中に広島のチンチン電車の運転手を即席で育てる学校ができた。たった3年でその幕を閉じ、広電の人たちもその存在を知らない人がほとんどだったとのこと。 亡くなった方、助かったけど重症を負ったかた、助けたかったけどそれが叶わず戦後ずっとそのことを引きずっている方など様々な方に取材しながら、当時のことを映像が浮かぶように書き綴っている。 広島の方には是非読んで欲しい

Posted by ブクログ

2023/07/31

ヒロシマについてのノンフィクションをいくつも書いている堀川恵子氏の広島テレビ勤務時代に制作したドキュメンタリー番組の取材をもとに、番組で紹介しきれなかった内容なども含めて新たに書き下ろした作品。 広島市内に行くと今も多数のチンチン電車が走っている。チンチン電車は大正時代に営業が開...

ヒロシマについてのノンフィクションをいくつも書いている堀川恵子氏の広島テレビ勤務時代に制作したドキュメンタリー番組の取材をもとに、番組で紹介しきれなかった内容なども含めて新たに書き下ろした作品。 広島市内に行くと今も多数のチンチン電車が走っている。チンチン電車は大正時代に営業が開始された広島電鉄のもので市民の重要な交通手段となっていた。 堀川氏は取材中にこの広電を訪れた時にそこの社員から戦争中はこの電車を女学生が運転していたと知らされる。育成のための学校まであったという。 しかし、その学校や女学生たちを取材しようとしても中々手がかりがない。とうとう堀川氏はテレビ局の仕事終わりに広電の会社に立ち寄り、倉庫の中に保管されていた未整理の資料を一つ一つ確認する作業を始め、とうとう諦めかけた時に、学校の名簿を発見するのである。 学校の名前は「広島電鉄家政女学校」。広島電鉄の社員が兵隊として招集されて人手不足となっていた昭和18年に開校された。勉強しながら車掌や運転士の訓練も受け、勤務に出れば給与も出るということで、働き手を戦争に取られ、困窮していた家庭の女子が、勉強を続けたい、家庭の負担を軽くしたいなどの思いを抱いて入学してきた。 彼女たちは訓練もそこそこにチンチン電車に乗り込み、車掌として、そして運転士として働くようになる。 ヒロシマの記録を読んでいると8月6日8時15分の前と後で世界は大きく変わる。 チンチン電車を運転していた彼女たちも、運転中に被曝して運転席で骨になっていた者、倒壊した寮の下敷きになった者、そして火傷や怪我で血だらけになって避難した者、様々だ。 彼女たちが地獄のような有様の市内をどのように避難して生き延びたのかも描かれる。

Posted by ブクログ

2022/03/08

#878「チンチン電車と女学生」  著者の堀川さんは、広島電鉄社長のインタヴューを機に、車庫の電車を見学します。その際、最古の車両「650形」が最新車輛だつた昔、女の子が運転してゐたと聞き、その実体を調べる事に。戦時中に男手が戦争に取られ、電車の運転も女性が担つてゐたのです。養成...

#878「チンチン電車と女学生」  著者の堀川さんは、広島電鉄社長のインタヴューを機に、車庫の電車を見学します。その際、最古の車両「650形」が最新車輛だつた昔、女の子が運転してゐたと聞き、その実体を調べる事に。戦時中に男手が戦争に取られ、電車の運転も女性が担つてゐたのです。養成するための学校もあつたといふ証言もありましたが、誰も知らない「まぼろしの学校」となつてゐて、実態は分かりませんでした。  平和記念資料館でも分からず、広電の倉庫に「怪しい段ボール」があつたと聞き、堀川さんは自ら資料を漁り根気よく調べた結果、遂に幻の女学校こと「家政女学校生徒名簿」を発見するのでした......  この題材はまづテレビのドキュメント作品として発表され、全国放送もされたさうです。わたくしは知らなんだで未見なのです。残念。  国策により戦時体制となり、14-17歳の思春期真只中の少女たちが、生活の為もあり働きながら学べる学校に飛びつくのは当然と申せませう。    存命中の関係者に出来る限りインタヴューを試み、多くの証言を得てゐます。ピカドンで人生が変り、信じてゐたものが音を立てて崩壊するさまを経験した彼女らの肉声は重みがあります。  不自由な中にもそれなりに青春を過ごした彼女らにとつては、電車の運転や車掌の仕事は、必ずしも悪い事ばかりではなかつた事が分かり、少し救はれる感じもします。  実際、戦後に電車が復興したときに復職を希望する人が多かつたのがそれを表してゐますね。しかしその時には、既に男たちが戻つてきて、最早彼女らの居場所は無かつたのです。  文字通り時代に翻弄された少女たちの記録を残したといふ点で、意義のある一冊と申せませう。著者が「電車を女の子が運転してゐた」といふ一言に反応しなかつたら、歴史に埋れたままだつたかも知れませんねえ。

Posted by ブクログ

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