思春期サァカス(2) ヤングジャンプC

G3井田(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2015/06/19
• JAN: 9784088902081

商品レビュー

2015/08/06

あくまで、個人的な意見だが、私はこの『思春期サァカス』の方が、前作の『ｆ人魚』より好きだ。
腐女子属性を持つ人魚がヒロインってのは、独特で良かったとは思うが、ちょっと作品内容が濃かったかな、と思う
こちらにはファンタジー要素が無く、高校の部活を舞台にしている青春コメディ
サーカス部、と言う、現実になさそうでありそうな部活の中で、青春真っ盛りな少年少女らがドタバタしている様が、テンポよく描かれているので、結構、読みやすい
基盤にラブコメがあるので、これから、彼らの関係はどうなっていくんだろうか、と気になってしまうので、質のいい少女漫画と同じくらいの読み応えがある、と断言しよう
Ｇ３先生は四コマ漫画家として画力が高い方だと思うが、どちらかと言えば、私はキャラクター作りのセンスの良さを高く評価している
起承転結が、キャラクターらの強い個性がよりしっかりしていると思う
個人的にお気に入りのキャラは、ある意味、男子高校生らしい性格と性質の持ち主である春成金（はるなりこがね）。紳士なのに変態、ではなく、変態だからこそ紳士ってトコが好感を持てる。また、そんな彼に好意を寄せ、感情を左右される泉野翡翠（いずみのひすい）も可愛い
もっとも、特にキュンキュンさせられたのは、良くも悪くも平平凡凡であり、優れているのは人当たりの良さとツッコミのキレだけである平良透輝（ひららとうき）に淡い恋心を寄せる、身長へのコンプレックスがあらぬ方向に転がりまくりな塩月真珠（しおつきしんじゅ）だ。やっぱり、王道は強い？
また、青春を楽しんでる高校生には各々、誰にも劣らない魅力がある、と言いたいのか、キャラクターの名に宝石の名が入っているトコも巧い
完結してしまっているのが残念。もし、Ｗｅｂに移籍せず、今でも連載が本誌で続いていたら、『天野家四つ子は血液型が全員違う。』（空えぐみ）と共に、ＹＪを支えられていただろう。第二幕として戻ってきてくれないだろうか
この台詞を引用に選んだのは、部長の本城晶（ほんじょうあきら）の個性も相まって、グッと来たので。恋もサーカスも、大切な人の注目を集める努力を欠かしちゃダメ、結果がどっちに転ぶか分からない以上、逃げずに最後まで頑張るってのが大事なんだろう