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スクープ エクス・リブリス・クラシックス
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スクープ エクス・リブリス・クラシックス

イーヴリン・ウォー(著者), 高儀進(訳者)

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スクープ エクス・リブリス・クラシックス

定価 ¥2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2015/05/01
JAN 9784560099070

スクープ

¥1,650

商品レビュー

3

7件のお客様レビュー

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2022/07/15

新聞で自然についてのコラムを書くウィリアム・ブートは人違いによって、内戦を取材するよう東アフリカのイシュメイリアへ派遣される。各新聞の記者たちはスクープをものにするためお互いの動静をうかがい、ときにはニュースをでっち上げ、ときに握りつぶしたりする。新聞記者がいかにいい加減であるか...

新聞で自然についてのコラムを書くウィリアム・ブートは人違いによって、内戦を取材するよう東アフリカのイシュメイリアへ派遣される。各新聞の記者たちはスクープをものにするためお互いの動静をうかがい、ときにはニュースをでっち上げ、ときに握りつぶしたりする。新聞記者がいかにいい加減であるかを風刺した小説。 『黒いいたずら』では政変が起きた際の政府内部のドタバタが描かれていたのに対して、本作は内戦(ファシストとボリシェヴィキの争い)をとりまく記者に主眼が置かれているので、現地入りするまでの経緯やスクープを報道したあとの顛末にもページが割かれている。内戦に関する事件はなかなか進展しないので、そういう意味では少々退屈。 1930年と1935年の二度にわたってエチオピアを取材した著者の経験をもとに書かれている。  そうさ、ある時ジェイクスは、バルカン諸国の首都の一つで起こった革命を取材しに行った。彼は列車の中で寝過ごしてしまい、間違った駅で目を覚ましたんだが、その違いがわからずに降りて、真っ直ぐホテルに行き、戦後の記事を打電したんだ。通りのバリケード、炎上する教会、彼の打つタイプライターのカタカタという音に呼応するかのような機関銃の音、部屋の窓の下の人気のない道路に、壊れた人形そっくりに大の字になっている死んだ子供について――そういうことなんだ。  そう、違う国からそんな記事を受け取った社は、かなり驚いたんだが、社はジェイクスを信頼していたんで、それを六つの全国紙に派手に載せた。その日、ヨーロッパのどの特派員も、新しい革命の現場に駆けつけるよう命じられた。彼らは群れを成して到着した。何もかも平静に見えた。でも、ジェイクスが一日に血腥い千語の記事を社に送っているのに、そう報告したのでは職を失うことになるんで彼らも調子を合わせた。国債は下落し、財政恐慌が起こり、非常事態が宣言され、軍隊が動員され、飢餓が起こり暴動が勃発した――そうして、一週間も経たぬうちに、ジェイクスが言った通りの正真正銘の革命がおこった。それが新聞の力さ。 (p.85)

Posted by ブクログ

2019/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初はブートが2人出て来て混乱してしまったけれど、面白かった。最後までやる気のないウィリアムがスクープを取っても結果彼自身の性格は全く変わらない。運のいい人ってこんな感じなのかもしれないなぁ。笑いあり、恋あり、真面目で優秀な人達のドタバタあり。長いこと読まれてるのはわかる気がする。2003年ガーディアン「古今の名作小説100」、2014年テレグラフ「絶対必読の小説100」もどくはしてみたいな。

Posted by ブクログ

2019/09/13

なんの前知識もなく図書館で借りたのですが、読み始めてすぐ、「げっ、ファルスか!」と思いました。 はっきり言って超・苦手ジャンル。 大学時代、坂口安吾を全部読まなくてはいけなくて、ファルスだけは死ぬほど苦痛だった記憶が蘇る・・・ てなわけで、全然乗れませんでした。 「『現代の古典...

なんの前知識もなく図書館で借りたのですが、読み始めてすぐ、「げっ、ファルスか!」と思いました。 はっきり言って超・苦手ジャンル。 大学時代、坂口安吾を全部読まなくてはいけなくて、ファルスだけは死ぬほど苦痛だった記憶が蘇る・・・ てなわけで、全然乗れませんでした。 「『現代の古典』として不動の地位」とか「絶対必読の小説100選」に選ばれた、とか訳者あとがきに書いてあったけれど。 もともと、欧米人のExpatライフを描いた小説には、書き手がそんなつもりはなくてもなんとなく現地の人を「未開人」扱いする気配や、物価が安いせいでお金に困らないことを何か優越感でとらえていたりする気配を察知してしまって、正直、あまり好きではない。 特に、アフリカは欧米列強がすべてをめちゃくちゃにしてしまったという考えをどうしても抱いてしまうので、この小説は、フィクションだけど一度たりとも笑えなかった。どっちかっていうと、むっつり顔で読んだ。 冗談通じなくてすみませんね、って感じですかね。はは。 まあそう言いつつも、ディネーセンの「アフリカの日々」はすごく好きだから、書かれているテーマにもよるんだけど。 あとがきを読んで、作者の特派員だった時代の経験がかなり反映されていることに驚いた。 確かに、現地の風景描写などに、見る人の「苦々しい思い」が漂っていて、リアルだな、と思ったが・・・ イーヴリン・ウォーはまったくのダメ特派員だったみたいですね。 すべての中で、あとがきのこの部分だけクスッときた。 訳はかなりイマイチだと思った。 すごく硬直した訳で、時々ビックリした。もしかしたら、外国人が多く登場するので、英語が母語じゃないことを表現するためにこんな直訳なのかな?と一瞬思ったけど、会話文だけじゃなくて地の文もいろいろ変だった。 「彼にとっては、宴会は幸せな晩の娯楽にとって必要な一切のものを満足させるものだった」とか。 「ウィリアムの朝食は、この前のクリスマスツリーの自分の払うべき分を、フラウ・ドレスラーにまだ払っていない、極貧の機械工によって、やがて運ばれてきた」とか。 ・・・('Д')? となって、3、4回読み直すはめになりました。 でも、おかげで改めて、最近の翻訳者はみんなすごく上手だな~ってありがたく思った。こういうのに今はそれほど出会わなくなっている気がする。

Posted by ブクログ

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