隣人が殺人者に変わる時 和解への道 ルワンダ・ジェノサイドの証言

ジャン・ハッツフェルド(著者), 服部欧右(訳者)

• 販売会社／発売会社: かもがわ出版
• 発売年月日: 2015/04/27
• JAN: 9784780307559

商品レビュー

2024/08/18

この本は『隣人が殺人者に変わる時』三部作の最後を飾る作品です。ラストの作品にふさわしく、この本も凄まじい１冊です。個人的には三部作中最も印象に残った作品です。あまりに厳しい現実をこの本で突きつけられることになりました・・・
平和とは何か。人間とは何か。罪と罰とは何か。善と悪、神の問題。赦しの問題。

人間における根本の問題がここに詰まっています。答えはありません。ですが、極限状態に生きた人たちの声がここにはあります。その声に耳を傾け、自分は何を思うのか。これは非常に重要なことだと思います。

2022/05/22

この本は　シリーズものだったようですが
うっかり最後のシリーズを読んでしまいました。

以前ルワンダのジェノサイドの本を読んだ時
とても衝撃を受けました。
同じ国の人間同士なのに、
片方の種族に外部からの手が入ってとても恐ろしい事が起きました。

そして、その後　どうなったんだろうと思っていたのですが。
その結末についての本でした。

国は　大量虐殺した人達を　刑務所に入れたのはいいけど、そのため　経済活動が上手くいかなくなったので、
加害者を解放しました。
家族を切り刻まれた人、レイプされた人は　
その事をとてもとても恐れたでしょう。
まさか　こんなに早くと・・・・

国は国をまとめるために　もう同じ過ちやトラブルのないようにと工夫はしているけれど、
お互いの心の底に染み込んでいる気持ちは・・・・

一見すると　大量虐殺があったことを　
思い出させないような国になってきているようですが、
まだまだ　根深いものがあるようです。

加害者の人達の証言は　
反省しているからかもしれませんが
当時は　人を切り刻まなければ　同じ種族の人に自分が変な目で見られてしまうので必然的に　狩人のようになったとか　言っていました。

今まで　お隣さんで仲良くしていたのに・・・

本当に恐ろしい事です。

こういう事は　遠い国だけではなく、
どこの国でも　起こりえないとは言えません。

人は心の中にある、
争いの種や　憎しみの種などに　水をまかずに
優しい種や　思いやりの種に　水をまいていきたいものですね。

2016/06/08

第三巻。
生存者（一巻）・加害者（二巻）のその後のインタビューがまとめられている。
順番に読むのがいい。