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外交五十年 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2015/04/25 |
JAN | 9784122061095 |
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外交五十年
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幣原の対米協調外交が築いた日本外交への信頼の意義は決して小さくない。中西輝政氏のようにこの点を見ずに、幣原の対中不干渉政策の非現実性のみを捉えて、それが全ての元凶であると結論するのはあまりに極端だ。然りとて岡崎久彦氏の如く対米協調さえ守っていれば日本は安泰と言わんばかりの幣原礼賛...
幣原の対米協調外交が築いた日本外交への信頼の意義は決して小さくない。中西輝政氏のようにこの点を見ずに、幣原の対中不干渉政策の非現実性のみを捉えて、それが全ての元凶であると結論するのはあまりに極端だ。然りとて岡崎久彦氏の如く対米協調さえ守っていれば日本は安泰と言わんばかりの幣原礼賛も明らかにバランスを失している。ともあれ幣原の次の言葉は良くも悪くも幣原外交の本質を言い当てている。「幣原外交の実体は何か・・・それは1+1=2あるいは、ニニが四というだけである。・・・ニニが八というような、道理に合わないやり方、相手を誤魔化したり、だましたり、無理押しをしたりすることを外交と思ったら、それは大間違いで」ある。 明らかに道理を欠いた外交が罷り通る筈もないが、時に十人が十人の道理を主張するのが国際社会である。国際環境が大きく変動し、道理の基準が曖昧になる時は尚更である。そんな中で駆け引きや妥協をからめて曲がりなりにも道理と非道の折り合いをつけるのが外交であろう。外交が「二二が四」で済むならプロの外交官など必要ない。さらに言えばデモクラシーの時代の内政は外交以上に「ニニが四」では済まない。国内世論をあまりに軽視した幣原の外交が結果的に満州問題への対処を誤らせた面も否定できない。ワシントン体制という国際協調ムードを謳歌した時代から、満州事変という激動の時代への歴史の転換点において、幣原のような原則論者を指導者に頂いたことは、日本の選択肢を狭めこそすれ、拡げることにはならなかったのではないか。 五百旗頭眞氏が指摘するように、大正デモクラシーが生んだ浜口、幣原、若槻のような西洋社会においても尊敬されうる人物が日本にいたことが、穏当な条件で早期の戦争終結を模索するアメリカ政府内の動きを促した面もあるかも知れない。ただ、そのような評価に潜む幣原も共有していたであろうナイーブなアメリカ観については一言しておきたい。幣原はカリフォルニアの移民排斥問題について、ある駐米イギリス大使から受けた忠告を紹介しているが、それによると、アメリカ人は外国に対して不正行為を犯すことがあるが、それは外国からの抗議によらず、自らの発意で矯正する。アメリカの歴史がこれを証明しており、黙ってその時期を待つべきだという。随分前のことだが、五百旗頭氏が幣原のこのエピソードを紹介しながら、日米貿易摩擦での理不尽極まりないアメリカへの処し方を講義で語っていたのを思い出す。戦後70年、原爆投下という明白な国際法違反に一言の謝罪もない現実を見るとき、このアメリカ観が果たして現在のアメリカにあてはまるのか改めて問うてみるべきだろう。
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軍備放棄を新憲法に盛り込むことを決意した理由として、①軍を持つなら弱いものでは意味がないので敵に勝てるように拡充されていき戦争に至る危険な性質があること、②軍と国民の意思に乖離がある中で戦争が強行され、「巻き込まれた」国民に絶望をもたらすような戦争を繰り返してはならないという決意...
軍備放棄を新憲法に盛り込むことを決意した理由として、①軍を持つなら弱いものでは意味がないので敵に勝てるように拡充されていき戦争に至る危険な性質があること、②軍と国民の意思に乖離がある中で戦争が強行され、「巻き込まれた」国民に絶望をもたらすような戦争を繰り返してはならないという決意があった。
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