外天楼 講談社文庫

石黒正数(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2015/04/16
• JAN: 9784062930888

商品レビュー

2024/02/12

お友だちから借りました。たまたまお友だちに「叙述トリック短編集（似鳥鶏）」を貸したところ、お友だちがたまたまカバーイラストを描いている石黒正数先生の漫画持っていて代わりに貸してくれたものですが「叙述トリック短編集」が好きならこの作品も好きかも。あっと驚くミステリー。
面白かった。

話としては面白かったのに、胸糞悪い展開が多いし作者の偏見が透けて見えてるシーンもありつつ、気分が悪くなった。そういうことを伝えたくてわざと描いた可能性もあるけど、私には偏見と感じちゃう、といったところ。

2023/06/30

どこにオリジナリティが？
　なぜ文庫？と思ったが、メフィスト連載（漫画雑誌ではなく、ミステリ雑誌）だから。

　オリジナリティがどこにあるのか、私にはわからなかった。キャラクターもありがちだし、ミステリもありがちだし、SFもありがちである。「天国大魔境」も約束のネバーランドみたいな目新しくもない凡庸さだったが、こちらもこちらで凡庸なSFミステリで、ひねりがない。

　伏線は、構成で凝らすやりかたで張ってゐる。映画やドラマの手法である。証拠をちりばめるやりかたではない。
　最後のページでの人物がずらりと並ぶ絵は、「妄想代理人」か？と思った。どことなく全体的に妄想代理人ふうでもある。と思って作者のツイッターで妄想代理人と検索したら、妄想代理人を見てゐた。

2023/06/20

とてもよくできたSF。
視点がミクロからどんどんマクロに変わっていくというか、物語の外側へどんどんはみ出していくところは文学作品の発想っぽくて、そこも面白かった。
短編の組み合わせで長編にしていく、連続短編集のジャンルになると思うが、そのつなげ方も秀逸。ユーモアを混ぜながらうまく物語の緊張感に緩急をつけている。
じっくり読み返したくなる漫画だった。