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全文読破 柳田国男の遠野物語
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 三弥井書店 |
発売年月日 | 2015/04/01 |
JAN | 9784838232826 |
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全文読破 柳田国男の遠野物語
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商品レビュー
2.5
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
生きてるうちに一度は読んでおくか、といった程度の気持ちで着手。原文に注釈がついたもの、全文口語訳のもの、はたまた児童向けのものなど、遠野物語は様々な形態で様々なものが出版されているが、泉鏡花と同時代程度なら原文がよかろうと、本書を手に取った次第。音読のために全文振り仮名がふられ(固有名詞を読むのに大変助かった)、それぞれの話毎に注釈と解説がついており、思っていたよりも数段快適に読めた。慎重に選んで正解。 ものすごく簡潔に言ってしまえば、今でいう都市伝説集みたいなものだ(と私は感じた)が、それぞれの話を語った人物、場所等を明記し、実在した(する)人物の経験談として語られる形式は、感覚的に新しいというか、、、確かに「研究」的なものに感じられなくもない。当時の人々にとっての自然や神がどのようなものだったのか、全国的に類似する話が見られるのは何故か。これらの伝承には気候や地形、当時の習俗が深く関係していることは明らかであり、それらを俯瞰して眺めようと試みた、なるほど日本民俗学の出発点と名高い名著である。 興味深かったのは、伝承が時代に合わせて進化していくこと。山男が"鞄のようなもの"を持ち始めた件は、現代の怪異が電子機器を自在に操る、または媒介することに通ずると思ったし、実在した大津波で家族を失った男が、翌年亡き妻と会話をする話は、神であろうと妖であろうと、その存在は生きる人間のために産み出されたものなのだ、という感慨を私に与えた。 「遠野物語」が音読用に書かれた、という話も面白い。音読の習慣が日本固有のものなのか、かつては紙や本自体が高級品だったために、広く読み聞かせる手段として音読が習慣化されたのか、それは全く分からないが、確かに遠野物語は同時代の、例えば泉鏡花の文体と比べて、違和感を覚えるほど読みやすかった。本書の作者が言うように、声に出して読まれた「遠野物語」を回復することは、とても価値のあることのように思える。 マヨイガ、座敷童、河童、天狗、付喪神、、、懐かしくもすでに遠くなってしまった存在たちが、遠くなりつつも現代に息づいていること、もしかしたら新しい形で我々に寄り添っているのかもしれないこと、人間のために産まれた、善でも悪でもない彼らが、かつてはこのようにして人々の間に存在していたのだというその事実、それらを少しでも感じることができて、とても満足です。面白かった。
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口承文芸を後世に伝えた第一人者といえば小泉八雲を浮かべる。地方の識字できない人たちの言い伝え、昔話などはかろんじられ、文学とは見なされない時代において、怪談を含めてしっかりと遺してくれた。その八雲が東京帝国大学の講師として教鞭を執っていたその時、柳田国男は同大に学んでいる。学部が...
口承文芸を後世に伝えた第一人者といえば小泉八雲を浮かべる。地方の識字できない人たちの言い伝え、昔話などはかろんじられ、文学とは見なされない時代において、怪談を含めてしっかりと遺してくれた。その八雲が東京帝国大学の講師として教鞭を執っていたその時、柳田国男は同大に学んでいる。学部が違えども教えは受けていたのではあるまいか。西洋化に走る時代にあって民俗学の下地を築いた功績は大きい。山の神、天狗は崇拝と同時に畏怖の対象であり、先人はその存在を語ることで自然を侮り荒らすことへの戒めとしていたことが伝わってくる。
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