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熟蜜 義姉のしずく 竹書房文庫

川奈まり子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 竹書房
発売年月日 2015/04/01
JAN 9784801902664

熟蜜

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2015/06/14

未亡人の避けられぬ現実

サブヒロイン達との逢瀬の果てに想い人たるメインヒロインと遂に結ばれるのか?といった流れはここ数作の路線を踏襲した構成であり、作者としては竹書房文庫から初の出版ながらも気負いなく普段通りなロジックで纏めている様子。竹書房ラブロマン文庫から出ていても遜色のない官能場面も描写もある。し...

サブヒロイン達との逢瀬の果てに想い人たるメインヒロインと遂に結ばれるのか?といった流れはここ数作の路線を踏襲した構成であり、作者としては竹書房文庫から初の出版ながらも気負いなく普段通りなロジックで纏めている様子。竹書房ラブロマン文庫から出ていても遜色のない官能場面も描写もある。しかし、未亡人という設定を単に属性のみとして扱わず、未亡人だからこそのしがらみをきちんと織り込んだことで滲み出る憂いを帯びた切なさが本作を独特に彩っている。 仏前で喪服を着ていれば未亡人なのではなく、亡夫への想いを整理して、物理的にも時間経過的にもいろいろと順序立ててからでないと次に進めない未亡人のしがらみ。それを有り体に言えば作中の言葉でもある「世間体」であり、つまりは亡夫への操の立て方である。 苦悩や葛藤はあるだろうけど、後は自分(主人公)が穴埋めするからさっさとこっちにおいでよ、といった男の身勝手な思考では片付けられない女(未亡人)の側面が暗に示されており、その相手が義弟であればなおさら世間一般に加えて家族や親族の目もあることを窺わせる抵抗……拒絶ではなく時間がほしい意味合いの抵抗……が見て取れる。 しかも、それが表立っては示されないことで(気づかない、察しない)男との感覚的なズレが生み出され、そのズレが主人公とサブヒロイン達との接点を設ける要因となり、それでも増幅されていく未亡人への想いの要因にもなっている。手が届きそうで届かないもどかしさで男心を煽りつつ、そうは言っても、といった女心も盛り込むことで生じる男女のモヤッとした感じを巧みに描いているのはさすがと言える。 好みの分かれる形にもなったその行方は時間的な猶予が絶たれてしまった結果であり、めぐり巡った遠回りな結末は本来必要とした自他共に認められる区切りの年月だったのかもしれない。「喪が明けた」2人のその後を読んでみたくなる余韻が残る幕の引き方であろう。 そうした現実性にあって、美しい女性が未亡人として憂いていたら他の男も放っておかないであろうという官能的なモヤッと感も親族から狙われる形で興奮度の向上に寄与しているのはニクいところである。

DSK

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