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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2015/04/01 |
JAN | 9784309023731 |
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商品レビュー
3.3
9件のお客様レビュー
『スケさんやカクさんや風車の弥七さんや疾風のお絹さんが、身を粉にして働いて、お膳立てをすべて作ってから、最後に出てきて、ワンフレーズいうだけですよ〜 せめて、印籠ぐらい、自分で持てよ〜』 『「もう二度と、あんなことはしない」と夫は約束した。チーターさんは「あんなこと」とは「キャ...
『スケさんやカクさんや風車の弥七さんや疾風のお絹さんが、身を粉にして働いて、お膳立てをすべて作ってから、最後に出てきて、ワンフレーズいうだけですよ〜 せめて、印籠ぐらい、自分で持てよ〜』 『「もう二度と、あんなことはしない」と夫は約束した。チーターさんは「あんなこと」とは「キャバクラで遊ぶこと」だと当然思った。それに対して夫の考える「あんなこと」とは、「キャバクラ遊びを妻に見つかること」だった。』 『世界を保存するために、もっとも必要なものは…言葉なのです。』 『この次、電話をかけてくるなら、アンジョリーナ・ジョリーみたいな声の女がいい、と俺は思った。待てよ。アンジョリーナ・ジョリーって、どんな声だ?』 「あんたたちが攻めてるわけ?」 「正確にいうと、銀河連邦が、天体1262121を攻めるのよ」 「理由は?」 「決まってるでしょ。環境汚染、汚職、不倫、甘いものの食べすぎ、美容整形、派遣社員への差別、ニート、鯨の絶滅、こんなものを放っておいて、宇宙全体に広がったら、宇宙そのものの破滅よ」 『「寒いね」と話しかければ「南極より寒いね冷房効きすぎ」と答える友のいるあたたかさ』 『みなさん、どうか耳をかたむけてください。わたしのことばにではなく、みなさんの、内側にあって、燃え盛るものの発することばに。』 「君も美しい、僕も美しい僕も美しい、君も美しい美しいものだらけの世界」 『だいたい、それを決めるのは、わたしではない。わたしは死んでゆく身にすぎず、わたしの死に方を決めるのは、おそらく、残った人間の仕事なのだから。』 『最後の場所は、それほど暑くも寒くもない、木陰が望ましい。家族は不要だ。周りに、人間は要らない。もう十分に人間には会った。そして、誰ひとり理解できなかったような気がするのである。』
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『動物の謝肉祭』 森閑した森が舞台。森やから森閑は当たり前や。 スポットライトが照射され、まず現れたのは水戸黄門御一行、に扮した動物たち。続いて、うっかり八兵衛のいたちさん、狂走族の動物たち(森に住んでる)、動物園の動物たち、キリンとサルのカップルが登場。それぞれTVショーや健康診断、幼稚園に入れようか問題、痴話喧嘩を繰り広げる。終わり方雑でびっくり面白かった。 『家庭の事情』 不妊に悩むパンダさん。夫のキャバクラ狂いに悩むチーターさん。子育てに非協力的な夫をもつカンガルーさん。日本のそこら中に落ちている問題に、動物たちが真剣に悩んでいる。 『そして、いつの日にか』 人間が滅亡した後、言葉を持ち、人間の文明を継承したのは犬だった。クタバッテシメイというペンネームで浮雲を発表した柴犬のタツノスケくんは、最期を迎えようとしていた(怒られんで)。「言葉の中に、すべては、保存されます。だから、わたしは、言葉を作ろうと思ったのです。だが、そもそも、言葉のない世界に住んでいたわたしたちにとって、言葉を身につけることは……苦痛でした。」 『宇宙戦争』 着信音「運命」が鳴る。何度も。出ると、「宇宙戦争がはじまったよ」と言う。そして、知らぬ間に巻き込まれつつある。秘密戦隊の隊員だという者がいて、しょくぱんまんやQ-13号に姿を変える。カオスだー。 『変身』 ある朝、不安な夢から目を覚ますと、オオアリクイは、自分が檻の中で、不格好な人間に変わっているのに気がついた。 ある朝、不安な夢から目を覚ますと、ビクーニャは(以下同) ある朝、不安な夢から目を覚ますと、ヒトコブラクダは(以下同) 元オオアリクイと、元ビクーニャと、元ヒトコブラクダの人間が一同に会す。それぞれの種族の優れた点を主張する。 『文章教室1』 「刑務所」(動物園)の動物たちにタンカ(短歌)を教える。 −「えっシロクマなのに黄色っぽいじゃん、変なの」っていわれて猛烈にヘコむ −「寒いね」と話しかければ「南極より寒いね冷房効きすぎ」と答える友のいるあたたかさ −つよく生きろというの檻の中でもつよく 生きていないようなおとなたちが 動物園の動物の中にも、今昔や時代性がある。 『文章教室2』 次は短歌ではなくまとまった「文章」の批評です。 アフリカゾウの鼻についてのエッセイ、寿命が1時間のユスリカの遺書、5億年も生きるベニクラゲの文章。それぞれの死生観がおもしろい。 『文章教室3』 文章教室の先生がある「陰謀」に巻き込まれちゃった。「巧妙に書かれた暗号」を読み解きます。こどもたちは知っている。あらゆる生きものがことばを持っていることを。 『動物記』 最後の一作は私小説のような、エッセイのようなもの。動物との思い出、生と死の境目の話。動物との関わりは浅くない人生を歩まれているようだけど、なにかを育てるには向いていないと自分を評している。 私は猫と暮らしている。毎日遊んで一緒に寝ているけれど、彼らの考えていることはとんとわからない。「お腹すいた」ぐらいかな、明確にわかるの。人間と動物の違いはと聞かれれば、やっぱり言葉を持っているか否かと答えるだろう。猫には否定、苦悩、死などの抽象概念がない。 じゃあ言葉を持てば人間と猫も変わりない生物になるのか、と言われればそれもわからないけれど。本著では、出てくる動物の殆どが言葉を持ち、巧みに操る。そして、人間のような悩みを持つ。 ファンタジーといえばそうだし、ツッコミどころも満載だったけど、一笑できないなにかがあった。
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"分かっているんじゃないか?何もかも?" 身の回りの動物を見ていると、特にその目を 偶然見た時に、そう思うことがある。 人間は色々の言葉を操り、何もかも分かったような気になる不思議な生き物。しかも、言葉を発して争い事が絶えることはない。なんなんだろ?その状況っ...
"分かっているんじゃないか?何もかも?" 身の回りの動物を見ていると、特にその目を 偶然見た時に、そう思うことがある。 人間は色々の言葉を操り、何もかも分かったような気になる不思議な生き物。しかも、言葉を発して争い事が絶えることはない。なんなんだろ?その状況って。 でも、動物は人間のような言葉を使わずとも通じ合っている。そう見える。真実のみが見えるように。
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