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レナードの朝 新版 ハヤカワ文庫NF428
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2015/04/08 |
JAN | 9784150504281 |
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レナードの朝 新版
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商品レビュー
4.6
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
脳神経外科による脳炎後遺症患者の長期観察記録。ただし、無味乾燥な症状や数字のみの記録を避け、患者個々の性格や言動、発症までの暮らし、社会との関わり方までも記載し、文学的で哲学的。それは現代医療の患者を即物的に扱う姿勢への批判からきており、一見支離滅裂な行動をする患者側から見た世界、その行動原理、内在する深い人間性への洞察も記されている。物事の断片で正邪を決めつけ、糾弾してゆく世相にも、警鐘を鳴らす指摘だと思う。 どうしても『アルジャーノンに花束を』を想起する。夢の薬エルドーパによる「目覚め」と呼ばれる劇的な症状の改善、それは生まれ変わるかのような重い症状からの解放をもたらすが、強い副作用、制御不能の本能的暴走をする恐れがある。ほとんど一生を、思い通りに動かすことの出来ない肉体に押し込められ、周りの状況を詳細に認識することが難しい状態で過ごすことを考えれば、危険を冒しても打つべきなのか。それは個々人の幸福観へも繋がる問題だ。レナードはエルドーパ投与前、つまり極度な不自由さの中にあっても、自分で磨き上げた深い人間性を持っていたが、目覚めによってほとんど無くしてしまった。多くの患者の中で特にレナードに注視するのは、不自由を無くすことが患者にとって本当に良いことなのかという問題を一番突きつける存在だからだろう。極論だが、レナードを作ったものの一部は不自由さであり、それは切り離す事が出来ない彼自身でもあったのではないか。 哲学的な思考は私には追い切れない部分が多かったが、映画化に際してのロバート・デ・ニーロの役作りの描写やひいては演劇論も大変興味深く、映画作品を見てみたい。 ただのノンフィクションではなく、医師という立場から患者との関わりを通して世界の本質に迫ろうとする、意欲的な作品だった。
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(徹夜ぶっ通しで読了した直後のレビューで頭が働いていないかも)数十年前に出会いたかった本。L-DOPA効果を観る研究対象者である前に症状、性格、そして人生それぞれ同じものはないひとりの人間として、病院(しかも何十年とその空間から出られない、しかも患者・医療専門職ばかりに囲まれた異...
(徹夜ぶっ通しで読了した直後のレビューで頭が働いていないかも)数十年前に出会いたかった本。L-DOPA効果を観る研究対象者である前に症状、性格、そして人生それぞれ同じものはないひとりの人間として、病院(しかも何十年とその空間から出られない、しかも患者・医療専門職ばかりに囲まれた異質な空間!)の中で真摯に向き合う著者の記録は嗜眠性脳炎、パーキンソン症候群の独特な、そしてありとあらゆる症状と暮らす患者、著者との長い旅を傍らで覗いている感覚がした。当時放映されたドキュメンタリーの映像をどうしても観たかったが探すことができなかった(残念!)。ひと眠りしてから映画を観ようと思う。著者が付録として記載されていたロバード・デニーロの演技に向かう姿勢についてもとても興味深かった。
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年の最後に今年読んだ中で最も重要な本に出会えた。前半の症例一覧も本当に考えさせられましたが、後半の医学とは、治療とは何であるべきかというある種の決意が人生を変えさせられた。噂に違わずこれが間違いなくオリヴァー・サックスの代表作だと唸りました。
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