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抵抗と絶望 植民地朝鮮の記憶を問う
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 大月書店 |
発売年月日 | 2015/03/01 |
JAN | 9784272430970 |
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抵抗と絶望
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〈植民地期以来、韓半島の近代的生はファシズム的国家主義に毒されているのではないか?〉と挑発しつつ、近代の〈国民=国家〉というシステムに日本の植民地支配によってしか出会えなかったことのジレンマを正しく見据えよ、と主張する一冊。個人的な関心でいえば、とくに第3章「植民地的無意識とは...
〈植民地期以来、韓半島の近代的生はファシズム的国家主義に毒されているのではないか?〉と挑発しつつ、近代の〈国民=国家〉というシステムに日本の植民地支配によってしか出会えなかったことのジレンマを正しく見据えよ、と主張する一冊。個人的な関心でいえば、とくに第3章「植民地的無意識とは何か?朝鮮の満洲」・第4章「「朝鮮人」から「東洋人」へ?植民地朝鮮における「近代の超克」論」が、いろいろな意味で勉強になったし、印象に残った。 この本は論文集という性格が強いので、論旨の一貫性を云々するのは適切でないかもしれないが、「ファシズム」という歴史性を帯びた用語=概念で、二〇世紀初頭以降の「近代的生」をくくり出すことには、やはり違和感は残った。朝鮮半島の二つの国家?体制の権威主義的なあり方、統治機構の特質に日中戦争期以降の動員体制の痕跡が色濃く残存している、という指摘ならば、理解も納得もできるのだけれど。 本書の記述には、ポストコロニアル批評・批判的国民国家論の影響を強く受けたという点で、ある意味で自分との同時代性を感じてしまった。だから、各論の着想には、共感するところも多くある。だが、これは引用がとても難しい書物だという印象も受ける。 韓国の知識社会で、いかに民族主義・国家主義的な思考が大きな力を持っているか、率直に言ってわたしには想像の及ばないところがある。だが、筆者の鋭い舌鋒とあえて選ばれているのだろう挑発的な指摘は、批判し対抗する対手の強力さを物語っているはずだ。だが、そうした文脈に規定される負荷を背負った文言を、日本語の言説で、植民地体制期の記憶を徹底して否認する韓国の社会批評、としてだけ安易に読んでしまうと、逆に植民地支配による暴力の痕跡を徹底して排除・否認したい、「感情的に憤る」韓国社会の通弊として「冷静」な主体を装う日本語の(一部)知識人・文化人を勇気づけることにもなりかねない。 いずれにしても、慎重な読み方、紹介の仕方が求められる一冊であることだけは、間違いないと思う。
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