財務デュー・ディリジェンスと企業価値評価

日本公認会計士協会東京会(編者)

• 販売会社／発売会社: 清文社
• 発売年月日: 2015/03/01
• JAN: 9784433571146

商品レビュー

2015/05/10

M&Aの際の財務DDに関する概説書。これといったクセのないごく教科書的な内容で、面白みも意外な発見もないが安心感はある。また、科目ごとの進め方や留意点が解説されてるのはいい。このへんは、会計士協会東京会が編纂してるだけのことはある。

2015/04/06

M&Aの際に必要となる企業価値評価の実務解説書。内容的にはいろいろなデューデリジェンス関連書籍からの切り張り的な感じではあるが、よくまとめられている。本書を読めばデューデリに関する大体のことは理解できるのではないか。デューデリで一番難しいのは、将来事業計画に基づくキャッシュ・フロー分析。この点について本書は詳細に触れていて理解が進んだ（第6章）。
事業計画が達成できない場合の要因分析から、事業計画の前提を評価するに当たり考慮すべき事項は次のようなことが挙げられる。
ア 過去の事業計画の達成度
イ 過去の業績推移との関係
事業計画の主な項目別の分析
ア 売上高分析
市場はシュリンクする方向にあるにもかかわらずその会社では売上が伸びるような場合は、合理的な説明があるかを確認することになる。
新規事業や新製品の売上が見込まれている場合、現状で既にプロジェクト等が進んでいる場合とまだ新規事業等を検討している段階ではその実現可能性について差異が生じる。新規事業等の現時点での進捗状況を把握しておく必要がある。
イ 売上原価分析
材料費については、材料単価の推移の前提や原材料を輸入している場合の為替レートの設定、歩留りなどを検討
経常的に発生する棚卸資産の評価減をどのように見積もっているかにも留意する。
ウ 販売費及び一般管理費分析
過去の事業計画と実績との乖離状況を踏まえ、その会社にとって管理可能な費用なのか、管理不能な費用なのかを識別しておくことも重要。