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ロミオと呼ばれたオオカミ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | エクスナレッジ |
発売年月日 | 2015/04/01 |
JAN | 9784767819631 |
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ロミオと呼ばれたオオカミ
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4.3
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アメリカ人の大多数が信じるキリスト教は“絶対的な唯一神”という概念を獲得した。その代償にと言っては何だが、他の人や物を神とみなす視点が排除された。 オオカミに対しても、もしネイティブアメリカンであれば、この本に登場するロミオと呼ばれたオオカミに対しても、spiritではなくgod...
アメリカ人の大多数が信じるキリスト教は“絶対的な唯一神”という概念を獲得した。その代償にと言っては何だが、他の人や物を神とみなす視点が排除された。 オオカミに対しても、もしネイティブアメリカンであれば、この本に登場するロミオと呼ばれたオオカミに対しても、spiritではなくgodとかあるいはgodの生まれ変わりとして神性を認め、現実の人や動物を超越した神のような存在として接することができたのではなかったのかと、そんな考えが浮かんだ。 もちろん一般的には野生動物と人間との間には、お互いに不可侵な距離感は厳然と存在する。それは神と人間との間の距離感とは概念的に異なるのはわかっている。 しかし、仮に何かの「奇跡」によってオオカミの内的性質に変異が生じたとしたらどうだろうか?実際にこの本では多くの人間が「ありえない」オオカミの変異した行動に直面し、戸惑い右往左往するさまが詳述されている。 先に書いたようにアメリカ人の多くは、オオカミからいくら精神性が高く神性すら感じられたとしても、そこに感じるのは、人間と同列の「フレンドシップ(=友情)」が限度。私たちがよく知るように、人間は神に対して「友情」は抱(いだ)かない。そして友情という概念は人間誰もが所持はするものの、神への敬愛のように強い共有性はなく、1つの対象にある人は友情を感じても、全く逆に考える人もいる。 その証拠に、いくらロミオが賢く勇気や判断力があり、それでいて親しみのあるという「超人的」な存在のオオカミであったとしても、ロミオに友愛を感じる人たちは彼を神として見ることができず、あくまで友人とまでしか見ない。そして一部の不埒な者からすると、オオカミは狩猟動物に過ぎず、もっと嫌な言い方をすればそれは人間の欲望のはけ口に過ぎないと考える。(なお、それらの一部の者がキリスト教信者かどうかはここでは詮索しない。) リベラルと言われるアメリカ人だが、オオカミが高い精神性を有して目の前に現れた際に、その神性の受け入れ方に限界を見せた。 一方で、例えばアイヌのようにオオカミを神の一種と考えて神聖視する社会であれば、ロミオの物語の結末と比して、ロミオと人間との関係性は変わっていただろうか、と私は想像する。もう言わずもがなだが、その意味でこの本で代表されるアメリカ白人社会は、他のコミュニティーと比べて必ずしも先進的ではなく、今もバーバリズムという黒雲に覆われている。
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アラスカのジュノーという街の近くの湖に表れた黒オオカミ。ペットの犬たちと遊ぶ楽しげな姿から話題になる。 オオカミは誰からともなくロミオと呼ばれるようになるが、一方で野生のオオカミを恐れる人たちもいた。 ロミオを愛した人達の詳細な記録。 野生と人間の共存、いつまでたっても難しい。...
アラスカのジュノーという街の近くの湖に表れた黒オオカミ。ペットの犬たちと遊ぶ楽しげな姿から話題になる。 オオカミは誰からともなくロミオと呼ばれるようになるが、一方で野生のオオカミを恐れる人たちもいた。 ロミオを愛した人達の詳細な記録。 野生と人間の共存、いつまでたっても難しい。かつて、自分たちの欲で一方的にオオカミを狩ってきた私たち人間。そして、勝手に悪者のイメージを持っている私たち。実は、むやみに人間を襲う事はない。 そんなオオカミを愛する人たちも多い一方で、野生の本能を怖れる人がいるのも事実だし、ある意味もっともだと思う。しかし、ロミオを撃ったのは、常識外れの男だった事に悲しみを覚える。 ロミオを愛したジュノーの人々の心に、いつまでも生き続けてほしい。
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アラスカのジュノー郊外に現れた一匹のオオカミのお話です。全身が真っ黒な毛で覆われ、オオカミの中でも大型で、写真を見る限り、ラブラドールやゴールデンレトリバーなどの大型犬のさらに2倍以上はあるかと思われる野生のオオカミです。彼はとても不思議なオオカミでした。群れに属することなく、常...
アラスカのジュノー郊外に現れた一匹のオオカミのお話です。全身が真っ黒な毛で覆われ、オオカミの中でも大型で、写真を見る限り、ラブラドールやゴールデンレトリバーなどの大型犬のさらに2倍以上はあるかと思われる野生のオオカミです。彼はとても不思議なオオカミでした。群れに属することなく、常に一匹で行動し、人間や犬を怖れず、むしろ遊び相手として自らの意思で近寄ってくるのです。当初彼の存在は、一部の人しか知りませんでした。誰もがオオカミと愛犬、そして人との間に結ばれた友情を秘密にしたかったからです。 しかし、とても紳士的で友好的な振る舞いを見せるオオカミの評判は、瞬く間に広がり始めます。いつしか彼は、町の人々から〝ロミオ〟と呼ばれるようになり、そして、オオカミをめぐる擁護派と反対派、それぞれの主張が町を二分することになります。 太古の昔より、人とオオカミは、とても親密な関係にありました。オオカミは怖ろしいというイメージは、昔ばなしや伝説による刷り込みによるものです。現に人間がオオカミに襲われたという記録は無きに等しいのです。 ロミオをよく知り、擁護するする人たちには、常に心配がありました。ロミオが人間を警戒しないことが、かえって彼の寿命を縮めてしまうのではないかということです。数年後、やがてその心配は現実になってしまいました。 大自然と野生の美しさ、人間の身勝手さ、憎しみよりも愛が重荷になってしまうという現実のやるせなさ、切なさ・・・読んでいて胸が痛くなりました。 もしかしてロミオは、神さまに使わされたオオカミだったのかもしれませんネ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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