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原子爆弾1938~1950年 いかに物理学者たちは、世界を残虐と恐怖へ導いていったか?
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 作品社 |
発売年月日 | 2015/03/01 |
JAN | 9784861825125 |
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原子爆弾1938~1950年
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政治的な側面もあるものの、基本、科学者を中心とした原爆の開発史。 1938年、第2次世界大戦の始まる直前に核分裂反応が発見され、そこから原爆の開発が始まる。核分裂はドイツとオーストリアの科学者によって発見され、不確定性原理のハイゼンベルグがドイツにいたことから、ナチスによる原爆...
政治的な側面もあるものの、基本、科学者を中心とした原爆の開発史。 1938年、第2次世界大戦の始まる直前に核分裂反応が発見され、そこから原爆の開発が始まる。核分裂はドイツとオーストリアの科学者によって発見され、不確定性原理のハイゼンベルグがドイツにいたことから、ナチスによる原爆開発が恐れられ、アメリカ、イギリスが、ナチスより早く開発すべく猛烈なスピードで研究が進む。 そして、核分裂の発見からわずか7年で原爆は開発され、実際に使用されることになる。 多くの課題が山積する中、とんでもなく頭の良い物理学者が力を合わせて、開発を進めていく、プロセスを描いた本。 何をするかわからないナチスより先に開発するという「大義」はあるものの、技術的な課題や科学的に解明すべき謎があったら、道徳的な判断は傍に置いて、その解明一番乗りを目指して、全力で頑張る物理学者の姿はやはり衝撃的だ。 ある意味、ナチス体制下で指示されたからと「考えずに」ホロコーストを実施するアイヒマンに近いものを感じてしまった。 「考えない」ということは、頭の良し悪しとは関係のないことであるというもう一つの事例かもしれない。 ちなみに、ドイツで開発に携わっていたハイゼンベルグは、原子炉の開発の方に力を入れ、できるだけ話が原子爆弾の方に行かないようにしていたらしい。政治が科学を利用するのではなく、科学が政治を利用するのだ、ということで、戦争関係の予算から出る研究資金を使って、核科学の研究をやっていたとのこと。 これもなかなかに危うい道だったのだな、と思った。
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核分裂の発見からマンハッタン計画,日本への原爆投下,冷戦勃発を経てソ連の核保有まで。人類史を一変させた,これほど密度の濃い物語がこのわずか12年間に凝縮されているとは。動員された物理学者の視点を中心に,その詳細を一冊にまとめたのが本書。エピローグ的にその後の水爆開発競争やキューバ...
核分裂の発見からマンハッタン計画,日本への原爆投下,冷戦勃発を経てソ連の核保有まで。人類史を一変させた,これほど密度の濃い物語がこのわずか12年間に凝縮されているとは。動員された物理学者の視点を中心に,その詳細を一冊にまとめたのが本書。エピローグ的にその後の水爆開発競争やキューバ危機にも触れている。 近年発見された史料も存分に利用して,物理学者の苦悩,ドイツ核研究を妨害する破壊工作,ソ連のスパイ活動など,核兵器開発にまつわる多岐に渡る情報が網羅的に描かれる。翻訳も読みやすく,大部だが読む価値は本当に大きい。特にナチス支配下のノルウェーの重水工場を狙った破壊活動や,ハイゼンベルクを含むドイツの物理学者を戦後イギリスで軟禁し盗聴したイプシロン作戦,マンハッタン計画に忍び込んだソ連スパイの末路,などのエピソードが印象に残った。原爆投下もそうだが,何でもありという過酷な現実。それに否応なしに巻き込まれるのが戦争という異常事態なのか…。 少し驚いたのが,広島の惨状を伝えるくだりで肥田舜太郎少尉が出てきた箇所。広島の惨状の描写はほぼ肥田氏の著作から引いているが,ぶらぶら病は出てこず,即死者と急性患者の様子のみで,本書の価値を減じるものではなかった。
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