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南の島に雪が降る ちくま文庫
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南の島に雪が降る ちくま文庫

加東大介(著者)

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南の島に雪が降る ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2015/03/01
JAN 9784480432650

南の島に雪が降る

¥550

商品レビュー

4.6

8件のお客様レビュー

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2024/03/24

▼いつかは読もうと思っていた、心理的な「積読」の一冊。主に戦後に名脇役として名を馳せた加東大介さんの、従軍記なんですが、一風変わっていて。南洋に出征、戦史を後世から振り返れば、一歩間違えば生きて帰れなかった地域なんですが、例外的にほぼほぼ戦闘が、ずーっと無かった。ただ、マラリアと...

▼いつかは読もうと思っていた、心理的な「積読」の一冊。主に戦後に名脇役として名を馳せた加東大介さんの、従軍記なんですが、一風変わっていて。南洋に出征、戦史を後世から振り返れば、一歩間違えば生きて帰れなかった地域なんですが、例外的にほぼほぼ戦闘が、ずーっと無かった。ただ、マラリアと飢えに数年苦しんだ。 ▼その癒しに、と、上官同意で、軍隊の中の「腕におぼえある」連中が集まって、芝居をやった。その記録なんです。ノンフィクション。これが泣けます。笑えます。名作です。さすがちくま文庫。パチパチ。 ▼もうほかにあまりいうことが無いくらい、の名作です。加東大介さんは、「松竹以外で歌舞伎をやっていた集団=前進座」の出身なんですね。戦前から舞台に立っていた芸人一家。加東さんが「元締め」になって劇団を作り、上官の支援もあって小屋を作り、飢えと不安の中で興行をやる。見に来るのは当然、兵隊さんたち。 ▼亜熱帯の森の中で、なんにも娯楽が無い。みんな望郷の念で張り裂けそう。ばたばたと仲間は飢えとマラリアと、時折やってくる機銃掃射や空襲に倒れていく。なんの生きがいもない日々。そんな中で、芝居が、ウケるんです。喝采なんです。涙、涙、なんです。全部隊の「生きがい」になる。 ▼道具も何もない中で、衣装を作る。メイク道具を作る。もう、なんだか抱腹絶倒です。稽古をする。徐々に仲間が増えるあたりなんて、もう「七人の侍」よりもわくわくします。 ▼映画化もされています。森繁、渥美ら物凄い豪華キャストです。これも名作の誉れ高いんですが、これまた「積読的未見」。是非見てみようと思いました。 ▼加東大介さんは僕もそうですがきっと多くの人が黒澤映画や小津映画でお馴染みなのでは。個人的には「秋刀魚の味」の元兵隊のサラリーマンの役が絶品かと。それもこの本を読んでからだと、また味わい深そうです。

Posted by ブクログ

2023/04/29

ニューギニア島で演劇を任務とした加東大介さんの自伝でもある戦争小説。銃弾が飛び交い爆弾が炸裂するような描写はなく、そこで将兵が戦ったのはマラリアなど熱帯の感染症や飢餓・・・。いつ終わるとも分からない戦況の中、演劇が今にも尽きようとする命を長らえ救ったとは・・・。序盤は戦地で演劇な...

ニューギニア島で演劇を任務とした加東大介さんの自伝でもある戦争小説。銃弾が飛び交い爆弾が炸裂するような描写はなく、そこで将兵が戦ったのはマラリアなど熱帯の感染症や飢餓・・・。いつ終わるとも分からない戦況の中、演劇が今にも尽きようとする命を長らえ救ったとは・・・。序盤は戦地で演劇なんて・・・と思いつつ読み進んでいたけれど、敵を倒すだけが戦いじゃない。味方を救うのも立派な戦い方なんだと教えていただいた。加東さん、貴重な体験を残してくださってありがとうございます。

Posted by ブクログ

2023/01/22

めっちゃよかった。泣いた。娯楽はただ楽しいだけではなく生きる糧になるのだなと思い知らされた。軽妙な文章で冗談なども多く楽しく読めるのだが、所々で戦争の悲惨さや死が日常にあることを見せられて一瞬で切なくなる。登場人物が魅力的な人ばかりで気持ちがよい。手元に置いておきたい一冊。 筆者...

めっちゃよかった。泣いた。娯楽はただ楽しいだけではなく生きる糧になるのだなと思い知らされた。軽妙な文章で冗談なども多く楽しく読めるのだが、所々で戦争の悲惨さや死が日常にあることを見せられて一瞬で切なくなる。登場人物が魅力的な人ばかりで気持ちがよい。手元に置いておきたい一冊。 筆者の加東大介さんが七人の侍に出演していると知って驚いた。視聴しなくてはと思う。

Posted by ブクログ