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リンドグレーンと少女サラ 秘密の往復書簡
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リンドグレーンと少女サラ 秘密の往復書簡

アストリッド・リンドグレーン(著者), サラ・シュワルト(著者), 石井登志子(訳者)

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リンドグレーンと少女サラ 秘密の往復書簡

定価 ¥2,530

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2015/03/01
JAN 9784000220859

リンドグレーンと少女サラ

¥1,375

商品レビュー

4

9件のお客様レビュー

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2024/05/16

長靴下のピッピの作者リンドグレーンと12歳の少女サラとの往復書簡、20年80通に渡る手紙。 リンドグレーンの優しさ思慮深さ、懐の深さに胸を打たれました。 そしてなにより、またとない二人の関係にぎゅっとなります。 梨木香歩さんのエッセイ「やがて満ちてくる光の」で知り、すぐに読もう...

長靴下のピッピの作者リンドグレーンと12歳の少女サラとの往復書簡、20年80通に渡る手紙。 リンドグレーンの優しさ思慮深さ、懐の深さに胸を打たれました。 そしてなにより、またとない二人の関係にぎゅっとなります。 梨木香歩さんのエッセイ「やがて満ちてくる光の」で知り、すぐに読もうと思って梨木香歩さんのエッセイを中断して読みました。 (梨木香歩さんのことが好きすぎて、梨木香歩さんの本は全て集めたいと思っています。)

Posted by ブクログ

2023/06/28

梨木香歩さんのコラムで本書に触れた箇所があり、興味を覚えて読んでみた。 『長くつ下のピッピ』、『名探偵カッレくん』シリーズは、私も子どもの頃に愛読した(これが同じ作者によるものだと知ったのは大人になってからだったが)。その生みの親リンドグレーンのもとには世界中からファンレターが...

梨木香歩さんのコラムで本書に触れた箇所があり、興味を覚えて読んでみた。 『長くつ下のピッピ』、『名探偵カッレくん』シリーズは、私も子どもの頃に愛読した(これが同じ作者によるものだと知ったのは大人になってからだったが)。その生みの親リンドグレーンのもとには世界中からファンレターが押し寄せたという。当然ながら、彼女がいかにその全てに返事を書きたいと思っても無理な相談だった。 しかし、ある日、リンドグレーンは12歳の少女から手紙を受け取る。とても個性的で、生きづらさを感じさせる多感な少女の手紙に、どこか引かれるものがあったのだろう。リンドグレーンは懇切丁寧に返事を書くのである。そしてそこから歳の差50歳の相手との10年以上にわたる文通が始まるのだ。 まるで物語のような話だが実話である。物語の作者との文通なんて、本好きなら一度ならず空想するものだ。 2人の関係はとても不思議である。実際に会ったことはないという。リンドグレーンは生前この文通の話を誰にもせず、文通相手の少女サラも積極的に公表したりはしなかった。突拍子もないサラの手紙を目を細めながら読むリンドグレーンの姿が浮かんでくる。彼女の手紙から感じられるのは愛情、そして歳の離れた友人への敬意である。 しかし、サラの成長とともに2人の秘密の文通は徐々に間隔が開き、微妙なすれ違いも生じていく。自分の知るサラが少しずつ変わっていくことをリンドグレーンは敏感に感じとっていたはずだ。これはハッピーエンドで終わる話ではない。ただリンドグレーンの優しさや深慮、思いやりがとても強く感じられるアーカイブである。

Posted by ブクログ

2021/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ファンレター(?)から始まった、児童書作家と少女の文通。 少女サラは(徐々にわかるのだが)いじめと家庭内暴力にあっていて、学校になじまず、盗み、精神病院に入れられ、その後も喫煙、飲酒、妻子ある人への恋、カルトへの入信…と息つく暇もなく難しい状況をずんずん進んでいく。大人びていながら自己嫌悪と自己顕示欲、自暴自棄にまみれた、否定することで愛と肯定を求めるような子供の手紙は、正直読んでいてほほえましいと楽しめる範疇にないというか、痛々しくすらある(そういう仕草は自分の身に覚えがあるからそう思うだけ?)。 でも、そういった子供のかたくななやり方に敬意を持って、一人の人格として誠実に接したリンドグレーンの手紙の巧みな距離感にはびっくりする。綱渡りか。そして必ず、サラが言動と裏腹に求めてやまなかった無条件の愛情と肯定と関心を、惜しみなく与えていた。 サラの苦境を、リンドグレーンが心から理解するのは難しかっただろうと思う。 父との不仲をほのめかしたサラに、子を愛さない父はいないからあなたから歩み寄ればいい、と書き送ったリンドグレーンが、虐待を告白されて心底驚いて慌てているようなのとか、ウェイトレスなどの(おそらく)低賃金労働をする彼女に「もっと満足できる仕事のよろこびを得られるような何か」を望み続けたのを読むとそう思う。それなのに、あんな風に彼女を受け入れて励まし続けられたのはどうしてなのだろう。わからなかったからこそなのか、底なしに深い懐を持っていたからなのか。たくさんの子供たちを無条件に愛することができる人というのはそういうところがあるように感じるけど、ぞっとするような羨ましくて仕方ないような、不思議な気持ちになる。

Posted by ブクログ