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麦主義者の小説論
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2015/02/26 |
JAN | 9784000249010 |
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麦主義者の小説論
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商品レビュー
3.8
4件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2万円分の図書カードを貰った。とある手伝いの謝礼で。年末に貰ったので、少し早いお年玉のようであった。 欲しいと思っていた本をたくさん買って、たくさん読みます。 とお礼のメールにて伝えた。そうして1月になって本を買い始めた。 まず、所沢駅にある蔦屋書店に行って店中の文学の棚を隅から隅まで眺めた。太宰治「グッドバイ」、星野源「いのちの車窓から」、庄野潤三「庭の山の木」。新品の講談社文芸文庫を買うのは初めてだった。いつもできるだけ安く買おうと考えていたから、こんなふうに純粋に読みたい本を探すという体験が新鮮で、本屋の棚を見るのはこんなに楽しいのだなと思った。買えないと諦めることをせず、全ての本を手に入れようかどうか吟味する。この贅沢さを貰ったのだと思った。 それから日にちが経って地元に帰った際、煥乎堂に寄った。19才の頃にアルバイトをしていた本屋。アルバイトを辞めてからも時折来ていたが、いつも寄るのは3階の古本コーナーだった。1階の新刊コーナーを避けるようにして、エレベーターに乗り込み、3階に上がる。辞めてからは7年が経とうとしている。 1階の本棚を見て回った。これまではあまり見てこなかったフロアの右奥の詩のコーナー。振り向けば、作家論の本も並んでいる。そこで買いたい本を見つけた。粕谷栄市の詩集「楽園」と佐伯一麦の「麦主義者の小説論」。どちらも買うことにした。この店でそんな高い買い物をするのも初めて。レジに持って行ってアルバイトをしていた当時にお世話になっていた社員さんに手渡す。図書カードも渡した。青いカバーの電子コードリーダにかざしているところを見て、そうだ、図書カードの決済はいつも緊張していたと思い出す。図書カードが返ってきて、お会計も済んだ。僕の顔を見ても、社員さんはアルバイトをしていた子だとは気づいていないようだった。または気づいていたとしても、そんな素振りは一切見せなかった。
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著者がデビュー前から、「小説」あるいは「文学」に対して誠実に、真摯に向き合ってきた様がよく読わかる好エッセイ集。 もっとも慕ったであろう作家のひとり、古井由吉の章に特段の筆圧の強さを感じる。 読みたい本が増えて困る…。
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朝日新聞の書評の言葉遣いが、以前からイメージしていた佐伯一麦と変わっているのに気付いた。「ア・ルースボーイ」の少年も年を取った、いや、作家としての力をつけたか。何が変わったのか。 50人近い作家たちについて、あるいは作品について、淡々と論じているのが印象深く、徳田秋声、和田芳...
朝日新聞の書評の言葉遣いが、以前からイメージしていた佐伯一麦と変わっているのに気付いた。「ア・ルースボーイ」の少年も年を取った、いや、作家としての力をつけたか。何が変わったのか。 50人近い作家たちについて、あるいは作品について、淡々と論じているのが印象深く、徳田秋声、和田芳恵をめぐっての文章や、何よりも古井由吉の作品群に対する一連の書評は、佐伯の作品の変貌の正体を語っているようでスリリングだった。 さあ、次は佐伯自身の小説だ。
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