「体をこわす添加物」から身を守る本 安全な「食べ方」「選び方」は？ 知的生きかた文庫

郡司和夫(著者)

• 販売会社／発売会社: 三笠書房
• 発売年月日: 2015/02/01
• JAN: 9784837983170

商品レビュー

2015/05/31

　安全な食品の選び方・食べ方について、二部構成で
書かれている。前半は、具体的な食品を例にとり解説
している。後半はＱ＆Ａ形式で食品の裏側について
書かれている。
　読んでおいてよかったと感じた本。知らず知らずに
食品添加物に汚染された食品を日々口にしている
ことをこの本を読んで改めて実感した。
　食品パッケージのキャッチフレーズや、提供者の
都合だけで一方的に流されるテレビコマーシャル、
またテレビ番組を利用した、提供者の都合のよい情報に
より、どれだけ真実が伝えられてこなかったのかを改めて
知った。
　中食・外食はいうまでもないが、素材として売られている
ものの中にも、流通過程で食品添加物が添加されているもの
や、製造工程で添加物以外にも様々な有害物にさらされて
いる実態がわかった。
　日々、それらの食品を「安さ」や「利便性」また誤った
「食味」で選択してしまっているが、それが後に重大な
問題を引き起こす可能性がることは、忘れがちである。
　いざ、健康被害が自身に起こった場合、その問題と
過去に食した食品に含まれていた添加物やその食品の
製造工程で食品が暴露した有害物質との因果関係を暴
くことは困難であろうと推測する。
　自分が被害にあわないため、および子孫に影響を
残さないためには、極力影響を及ぼす危険のある
ものは食べないことである。そのための正しい
知識を得る必要がある。
　もちろん、全ての人がそれを実践する必要はない。
今だけ楽しめればよい人。自分がおいしいと感じる
ものを脳の欲求を満たすまでたらふく食べることで
満足するなら、それもその人の選択である。また、
サプリメントがそれらのことを解決してくれると
信奉しているなら、それもその人の選択である。
　日本で食するあらゆる食品に添加物が入って
いると考えてもよいくらいである。科学技術が
今ほど発達していなかった時代には、考えられ
ないような、鮮度で日持ちする食品や色あざやか
だったり、食をそそるような見た目の食材。
また、過剰なまでに「見た目」に反応する
日本人に合わせるために、本来の自然なものでは
不自然なものが、ごく当たり前にあたかも
「自然」なように売られている。その裏側では
その「自然」さを装うために、どれだけの
人工的な化学物質が使用されているかは、
両者にはわからない。これらのことを理解する
のにとても役立った一冊。