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僕の新生活 おばさまと二人の美娘と フランス書院文庫
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僕の新生活 おばさまと二人の美娘と フランス書院文庫

小日向諒(著者)

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僕の新生活 おばさまと二人の美娘と フランス書院文庫

定価 ¥733

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2015/02/01
JAN 9784829640616

僕の新生活

¥495

商品レビュー

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2015/04/12

チャレンジングな要素はあるものの全体的には作者らしさに溢れた官能密度

高校2年生の主人公が身を寄せることになった旧家の主にして未亡人とその娘姉妹という3人ヒロイン体制の本作において、基本的な骨組みとして従前の小日向作品と大きく変わるところはない。官能場面の回数よりも一度の描写を濃密に延々と描く手法や、普段は礼儀正しいのに昂ぶると主に言葉責めで居丈高...

高校2年生の主人公が身を寄せることになった旧家の主にして未亡人とその娘姉妹という3人ヒロイン体制の本作において、基本的な骨組みとして従前の小日向作品と大きく変わるところはない。官能場面の回数よりも一度の描写を濃密に延々と描く手法や、普段は礼儀正しいのに昂ぶると主に言葉責めで居丈高になる主人公。そして、そんな主人公の責めに煽られて被虐の花を咲かせるヒロイン達という構図もこれまで通りと言えよう。 しかし、今回は主人公に中性的な属性を加えたことで官能小説としては稀有な状況が生まれた作品でもある。むしろ女性に「萌え」な要素かと思われ、コミックなどのヴィジュアルで描かれると好みを大きく分けてしまうところだが、小説ならば脳内イメージの加減でどうにかなる部分があり、書き手もまた表現などの匙加減で調節できることから相応の頃合いに落ち着くことができたのではなかろうか。そのベクトルの良し悪しは別にして、官能小説の新たな可能性の1つとしてエポックメイキングな作品と認識しておきたい。 天然系のおっとりした可愛げのある38歳の母との始まりはオーソドックスながら、旧家の夫人らしい楚々とした無垢な初心から経験は乏しかったところを主人公との関係を経てオンナが花開き、気づけば最も積極的かつ貪婪になっているギャップはとても良かった。 19歳の大学生にしては大人びたルックスと奔放な性格で主人公を溺愛する長女のちょっとした悪戯が今回の鍵となる。妹の本心には気づいていて、それを慮る優しさもあるのだが、主人公には年上お姉さんの優位を見せようと思ったら予想外の責め上手で逆に翻弄されてしまうところに官能的な特徴を持たせているように感じた。 凛とした雰囲気で羨望を集める生徒会長にして主人公も憧れ混じりの想いを寄せる次女は1つ上の先輩でもある18歳。こちらにも物語上のフックを効かせる設定があって、これはこれで女性好みな別の属性が関与していたりもする。諦めても諦め切れない主人公の想いと次女の秘めた想いがどのように交錯するのか。これが物語の本線となっている。 ヒロイン毎に1章を割いて最後の全員集合でも1章を費やす全4章のシンプルな構成は、それぞれとの関わりを盛り込みつつ官能描写をじっくり描き切る点で効果的だし、関係が他のヒロインにバレていくのも「黒本」お約束の単なる出歯亀に甘んずることのない捻りが効いていて良かったと思う。ただ、時間も経過している割に各章の繋がりがそれほど強い訳でもなく、むしろ、それぞれ別個の事柄のようにも見えてしまうので、他のヒロインとの爛れた「その後」みたいな描写が(ないこともないのだが)今少し盛り込まれて、ヒロイン達との重層的な関係がさらに浮き彫りになればもっと良かったようにも感じる余地があった。全員が素敵に主人公ラヴな甘い心地良さにあって、この点だけが読み終えての心残りである。

DSK

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