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宝石泥棒 新装版 ハルキ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所 |
発売年月日 | 2015/02/14 |
JAN | 9784758438780 |
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商品レビュー
3
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ラノベ感全開のカバーアートに騙されるな!(笑) 何よりも印象的なのは、圧倒的な自然描写。いつともどこともわからぬ世界、奇怪にして魅力的な動物、植物、それらによって構成される生態系が、噎せ返るような生命力を纏いつつ迫って来るような描写は、圧巻の一言。その中で暮らす人々の文化も克明に描かれており、マンドールの祭りの描写の色鮮やかさと言ったら、一幅の絵画が眼前に広がるかのようです。 第1部では熱帯雨林気候をベースにした南国の狩猟文明、第2部では温帯での王制をベースにした文明、第3部は乾燥地帯でのオアシス文明…と、「甲虫の戦士」ジローとその一行が旅を進めるに従い様々な生態系やそれに適した文明が描かれる様は、かのオールディス「地球の長い午後」を彷彿とさせますが、人類が絶滅寸前だったあの作品との大きな違いは、人類が苦労しつつもそれなりの文化水準を保っていること(かなり閉塞的ではありますが)、そして、それぞれの街にそれぞれの「神」が存在し、人々は神の意思に従って生きているらしいこと。この、神話をそのまま現実化したかのようなファンタスティックな世界観を味わうのがこの作品の醍醐味なのかな〜なんて思いながら読み進んでいくと、第2章のラスト辺りから、突然SFとしての骨格が前面に姿を現します。 <以下、ネタバレ注意!> 各章の章末にかなりのボリュームで注釈が付けられており、注釈をじっくり読むと、どうやらこの世界が科学文明崩壊後の遠未来の地球であり、異形の生態系は何らかの外的操作を受けて作り上げられたものらしいことが明らかになってきます。 「空なる螺旋<フェーン・フェーン>」に辿り着いたジローたちが知った真相…かつて宇宙進出を目指した人類は、その精神的な未熟さ故に、既に恒星間規模の文明を築いていた異種知性体から「不良生物」の烙印を押され、科学技術を奪われ地球に幽閉された。異種知性体は人類を再び宇宙に迎え入れるために、その精神を根本的に「矯正」することを目論み、人類の原型であり集合的無意識である神話を現実化した世界を構築。神を通じて人類をコントロールすることにより、その変容を見守っていたのだった。いつか人類が再び宇宙に進出するために、宇宙に飛び出し得る知力・体力を備えた者の遺伝子をプールし、後世に伝えるために、人為的に生み出された存在が「甲虫の戦士」そして「狂人」。彼らが「空なる螺旋<フェーン・フェーン>」に辿り着き、スフィンクスの試練を乗り越えることで、人類は再び宇宙への進出権を手に入れる。 旅のきっかけになったランへの熱い想いが、「空なる螺旋<フェーン・フェーン>」に向かわせるために正体も判らぬ宇宙人から外挿的に埋め込まれた作り物に過ぎなかったことを知ったジロー。そんな作り物の情熱に振り回されて死んでいった、多くの仲間たち。その果てしなき絶望。 絶対に叶わない圧倒的な存在に、「叶わない」と知りつつ戦いを挑まざるを得ない人類の姿。山田正紀の代表作の一つ「神狩り」に通じる、壮絶なまでの虚無感を感じるラストシーンです。 …と、このようにスケールの大きな読み応えのあるSF大作ではあるのですが、いろいろと突っ込みどころも多くてですねヽ( ´ー`)ノ 「甲虫の戦士」と「狂人」の遺伝子プール方法が何で違うの?とか、そもそも惑星調査員って遺伝子プールする必要ある?とか、なんでバハムート倒さなきゃならないの?とか、せっかく神話世界を現実に再構築したのに神様情けなさ過ぎね?とか…まぁ、何分にも古い作品ですし、細かいことはつべこべ言わずにとにかく楽しめ!ということなんだろうなーと思います。異世界に酔いたい方には、激しくおススメ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
甲虫の戦士・狂人・呪術師の三人が宝石「月」を探して、奇妙な生態系と神話が入り混じった人類社会を旅をする。3人は他の甲虫の戦士と共に「月」のヒントがある地へ到達するが、人類は宇宙文明の懲罰により宇宙進出を禁止され、月は宇宙文明により破壊、甲虫の戦士・狂人が旅をするのは宇宙文明が遺伝子操作で誘導していた事を知る話。 文明が衰退した未来の地球を旅しているあたりはワクワク感があるが、SF的回収をはじめてからはあまり盛り上がらずにあっさり風味で終了。
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人類と未来の地球であろう舞台と 摩訶不思議な生き物たちをちりばめ、 科学技術の陰が薄い呪術的な世界で 神話的な冒険を見せるのかと読んで行ったが、 まぁ、未来っぽいけど退行した世界というのは そういう仕掛けだなとSF的な面を見せたとたん、 あっさりと(転換鮮やかに?)物語は終了。 ...
人類と未来の地球であろう舞台と 摩訶不思議な生き物たちをちりばめ、 科学技術の陰が薄い呪術的な世界で 神話的な冒険を見せるのかと読んで行ったが、 まぁ、未来っぽいけど退行した世界というのは そういう仕掛けだなとSF的な面を見せたとたん、 あっさりと(転換鮮やかに?)物語は終了。 『神狩り』のときも『最後の敵』のときも そう感じたのだけど、最後の最後があっさりと しているというか、醒めている感じで、 多少拍子抜けして自分の☆×4にならない。
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